チーム分析「バルセロナ」①
こんにちは〜。
めちゃくちゃ更新さぼってました、すみません(笑)。
個人的には大学の試験も終わり夏休みに突入したので、またちょこちょこ更新できそうです。
ここ最近で高校生の全日本フットサル選手権があるのはご存知ですか?
色々なチームカラーがあって見ていて非常に面白いですよ。
サッカーチームの足元のテクニックやカウンターの鋭さは見ていて本当に驚かされます。
日本のフットサル界が若い力でどんどん盛り上がっていくと良いですね!
さてさて今回はチーム分析第2弾、バルセロナ編です。
バルセロナといえばサッカーが非常に有名ですが、このクラブチームは他にもバスケ、ハンドボールなどのスポーツでも活躍しています。
どのスポーツも結構強いらしいですよ。
サッカーではメッシやイニエスタ(退団しちゃいましたが)といったスーパースターを中心にティキタカとも言われるパスサッカーを展開していますが、フットサルの方はどうなんでしょうか〜?
是非フットサルに興味のない人もちらっと見ていってくださいねー。
(1)チーム紹介
言わずとしれたFCバルセロナのフットサルチームです。
ユニフォームもしっかりサッカーの方と連動しています。
昔はインテルとエルポソの2強だったらいしのですが、そこに割り込み三国時代を作り上げたのがこのバルセロナらしいです。
さすが経営陣がしっかりしてるだけはありますね。
今シーズンのリーグ戦の成績はインテルモビスターに次ぐ2位でした。
インテルに引けを取らない豊富なタレントによる攻撃力が持ち味で、得点数はリーグトップです。
現在、このバルセロナの監督を務めているのがアンドレウ・プラサ監督。
どのような実績をお持ちの方かあまり知らないのですが、バルセロナのBチームから内部昇格の形でトップチームの監督になったようです。
私の印象としてはタレントの特徴を把握し、それが上手く噛み合うようにチームを作るのが上手いなと感じます。
今シーズンもインテルを後一歩まで追い詰めるなど、優秀な監督であることには間違いなさそうです。
(2)オフェンス編
では、ここから具体的なバルセロナの戦術に踏み込んでいこうと思います。
例によって最初は攻撃からです。
バルサのオフェンスと聞くと、どうしてもサッカーのイメージが強くて「パスサッカー」と考えてしまう人が多いかと思います。
しかし実際のところはむしろレアルに近いんじゃないかなと思うような、タレントの力を存分に引き出そうとするオフェンスが特徴かと思います。
前に倣ってシステムから順々に見ていきましょう。
①システム
システム、つまりフォーメーションです。
バルサは基本的に3つのフォーメーションを使い分けます。
1つ目は純粋なダイヤモンド。
2つ目は偽ピヴォダイヤモンド。
そしてクワトロです。
インテルと同様にこれらは特定の選手が出ているかどうかで変わってきます。
それは具体的に各フォーメーションの項で見ていくことにしましょう。
とにかく、バルサの強みはこの複数のシステムを持つことでゲームに応じて臨機応変に対応できることになります。
多くのタレントを抱えるバルセロナならではの強みと言えるでしょう。
②ダイヤモンド
最初はダイヤモンドです。
ダイヤモンドというのはピヴォ当てを中心に攻撃を組み立てていくので、このピヴォを務められる選手がいるかどうかが非常に大切です。
そして、バルセロナにはフェラオという怪物ピヴォがいるのです。
このフェラオは2017-2018シーズンの最優秀ピヴォに選ばれるほど、卓越した力を持つブラジル人ピヴォです。
世界的に見てもトップレベルのピヴォであることは間違いありません。
フェラオの特徴は何といってもその強烈な反転シュートでしょう。
フェラオの反転シュートを集めたこちらの動画をご覧ください。(ピヴォ当ての記事でも紹介したことがあるかと思いますが)
どうでしょうか?
少しでも隙を与えると一気にフィニッシュまで持っていくという意味で本当に危険なピヴォなわけです。
このフェラオが反転するための時間・スペースを作るために後ろの3枚はフラットに近い形を維持することが多いです。
一種のアイソレーションに近いですね。
逆に言えばフェラオは背負った形での1対1にめちゃくちゃ強いというわけです。
本当にこのフェラオには多くのチームが手を焼いています。
フェラオにボールを預けた後の崩しのパターンというものも恐らくバルサの中で決まり事として何個かあるでしょう。
そのうちの1つを紹介しようと思います。
左サイドでのオーバーラップ
これはフェラオの利き足を考慮した崩しのパターンとなります。
フェラオは右利きなので左サイドでボールを受けた際、次のように内側へ反転してシュートを打つことを好みます。(もちろん左足でも強いシュートを打てるのですが)
したがって相手のフィクソば次のように内側への反転を強く警戒します。
これを利用してアラの選手がオーバーラップを仕掛けます。
相手のアラの選手もそれについていこうとしますが、このオーバーラップに関しては攻撃側の方が位置的に優位に立っています。
かと言ってここでフィクソへとマークをチェンジしようとすると、フェラオがフリーになってしまいえげつないシュートを打たれてしまうことになります。
まさにディフェンスにとってはどうしようもない状況が作り出されてしまうわけです(笑)。
このオーバーラップは頻繁に見られますので是非注目してみてください。
参考動画
プレス回避(ダイヤモンド、フィクソのフィンタ、アラの落とし、ダイレクトパス、ピヴォ当て、3人目の動き、オーバーラップ、1対1、ゴール)
③偽ピヴォダイヤモンド
続いて紹介するのが偽ピヴォダイヤモンドです。
こちらもフェラオと同様、前線の偽ピヴォを務める選手が大きな役割を担っています。
このエスケルジーニャはフェラオほど反転シュートが上手いわけではありませんが、ボールを貰うまでの駆け引きとしっかりとボールをキープして味方を使うのが上手い選手です。
彼は左利きなので右サイドの偽ピヴォを任されています。
エスケルジーニャはフェラオに比べるとフィニッシュまでのパターンには工夫があります。
シンプルな例を一つ挙げましょう。
プエルタアトラス
用語だけ言われてもパッとしませんね。
これはバックドアとも呼ばれたりします。
多分バスケなんかをやってた人はこのバックドアという言葉で何となくイメージが掴めたかもしれません。
図にすると分かりやいですが、要は次のようにディフェンスの逆を突くようにスペースへ走り込むことを言います。(と自分で勝手に定義しています)
正確なプエルタアトラスっていうのは、恐らく色んな意味があるとは思いますが私は図で述べたような偽ピヴォがふっとスペースに現れることを指してこの用語を使用しています。
そしてエスケルジーニャはこのプエルタアトラスからチャンスを演出するのが上手いと個人的には思っています。
参考動画
定位置(偽ピヴォ、ピサーダ、プエルタアトラス、バックターン、1対1、面)
④クワトロ
これまでフェラオやエスケルジーニャといったピヴォを活用したシステムについて見てきましたが、バルサはこれらに加えてクワトロというピヴォを置かないシステムも使用します。
形としては次のようになります。
このクワトロはこれまで見てきたシステムと比較して突出したピヴォが必要でないという側面があります。
ただ一方で4人全員にそれなりのスキルとインテリジェンスが求められるため、要求される難易度というのは高くなってきます。
実際試合中にクワトロのセット(試合中に一緒出てくる4人をまとめてセットと呼ぶ)に入る選手は、それなりのスピードと判断力と技術を持ち合わせています。
クワトロで活躍するのには色んな選手がいますが、今回は私がガチでリスペクトしているマルク・トルラという選手を紹介しようと思います。(なお、今シーズン限りで退団(ToT))
この選手の特徴は何と言っても判断力だと思います。
正直主観がバリバリ入っています(笑)。
まあスペイン代表でもフィクソを務めていますし、実力は本物でしょう。
スペインの誇るオルティスとトルラの2枚看板と勝手に言っています(笑)。
加えて彼のパスセンスは本当に恐ろしいです。
柔らかいタッチで多種多様な高精度のパスを出します。
これは本当に大切なことで、クワトロはパス回しをするだけで点の匂いがしないということがよくあるんですが、このトルラはどこで狙えば良いか分かっているので気がついたら一気にゴールに直結するようなパスを送り出します。
バルサのクワトロの心臓は彼だと言っても過言ではありません!(完全なる偏見です!)
彼が得意とするプレーの1つにパラレラがあります。
彼の場合スペースの感知力がえぐいので、本当に綺麗なパラレラをします。
また、ケブラパラレラと私が勝手に呼んでいる進行方向に変化をつけたパラレラをするなど相手との駆け引きも本当にすごいです。
是非バルサ試合を観るときはこのトルラ(4番)に注目してみてください!(来期はどのチームに行くんでしょうか...)
バルサのクワトロの攻撃に関してはインテル編を見ていただければ、それと被っている内容が多いので十分かと思います。
比較的バルセロナはアイソレーションに移行することが多いように感じます。
同じクワトロでもチームによってカラーがあるのでそれを踏まえた見てみると面白いですよ。
インテル編でも出てきましたが、バルサでもこのアイソレーションは1つの大きな戦術と考えることができます。
その中でもバルサを代表するアイソレーラー(造語笑)がいるので紹介します。
ディエゴ
1人目はブラジル人アラのディエゴです。
彼は左サイドの写真のような位置でのアイソレーションを好みます。
ディエゴのアイソレーションの特徴は何と言っても細かいタッチ。
カンビオデベロシタードという緩急を使って相手を抜く技術がありますが、まさにディエゴはリズムを一気に変えることで相手を一瞬で抜き去ります。
そしてその普段のリズムが速いこと速いこと。
普通の選手がタンタンタンタンくらいだとしたら、ディエゴの場合はタタタタタタタ。
相手からしたらいつこのリズムや方向が変わるか分からず、凄まじい集中力が必要です。
今から言うことは誇張でも何でもありません。
「ディエゴが1対1に負けたことを見たことがない」
いや、やっぱちょっと誇張したかもしれません(笑)。
でも本当にそれくらいディエゴはアイソレーションの状態ではほぼ無敵です。
ドリブルで抜けずに味方にパスすることはあっても、ボールをかっさらわれるなんてことは本当に0に近いです。
しかもシュート力もえげついと来たので相手は困ったもの。
誰か1対1の勝率を計算してほしいですね(笑)。
参考動画
アイソレーション(アラ、カンビオデベロシタード、カットイン、ミドルシュート、ゴール、ジエゴ)
ホセリート
2人目はレフティーのスペイン人、ホセリートです。
彼はフットサルの選手の中でも小柄で、俊敏性を売りにしています。
とても小さいので何回か見ていると顔を見なくてもホセリートと分かります(笑)。
彼は左利きなので右サイドでのドリブルを好みます。
縦にも中にも行けますが、特に縦へのスピードが異常です。
一瞬で相手を置き去りにしてしまうので、ディフェンスとしては間合いを取らざるを得なくなりなかなかホセリートからボールを奪えません。
是非バルサの試合を観るときはホセリートのスピード感を体感してみてください(笑)。
参考動画
定位置(ダイヤモンド、アイソレーション、カンビオデベロシタード、アラアラ、カンビオデベロシタード、縦突破、トゥネル)
ということでオフェンス編は以上となります。
いかがだったでしょうか?
バルセロナに関しては少しインテルに比べてざっくりした解説になってしまったかもしれません。
また機会があれば細かい話もできればと思います。
正直この記事の中で間違えていることもかなりあるかと思います。
そのような時は、「あーこいつわかってへんわー」と寛大に受け止めていただければと思います。
取り敢えず次回はディフェンス編から入って行きますので、興味のある人は次回もどうぞよろしくお願いします。m(__)m