観るフットサル

フットサルに関して、戦術等を通してその魅力を書き連ねていくだけのブログです。

流動性の要「サイ」 (2)

はろはろ〜。

前回の記事の追記でも書いておりますが、なんとパルロの残留は決定してました(笑)。

いやー、良かったです。

また、リーグ戦が全試合終了したのでプレーオフの組み合わせも決定しました。

準々決勝の個人的な注目カードはハエン対オササナ・マグナですね。

3強の壁をぶち壊すことができる可能性の高い2クラブがいきなり激突し、インテルへの挑戦権を奪い合います。

そのインテルは初戦はアスピルビダルという8位のチームなので恐らく勝ち上がってくるでしょう。

また、別ブロックのエルポソ対パルマサラゴサバルセロナはスペインカップでパルマサラゴサが勝利するという波乱が起こっている組み合わせでありますから、こちらも要注目です!

 

 

さて、スペインリーグの宣伝は置いといてサイの話に入りましょう。

前回はサイから1個飛ばしを行なった後の展開について見ました。

恐らく1個飛ばし自体のパターンは前回挙げたものがほとんどかなと思います。

もちろん、そこから3人目・4人目が関わってくるとパターンは無限大にはなるのですが・・・(笑)。

では今回は何を話すかと言うと、相手の守備がマークチェンジを行ってきたときのパターンについて話していこうと思います。

そうなんです、守備の仕方によって新たなパターンが生まれるのです!

 

では、まずそのディフェンスについて説明していきましょう。

今回もひとまず偽ピヴォダイヤモンドを前提に話していきます。

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ここでサイの動きに入ります。

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マンツーマンならばこのままアラの選手がついていきパスコースが生まれるのですが、ゾーンの場合抜ける選手を後ろのフィクソの選手に受け渡します。

そして、そのアラの選手はサイで抜けた後に生まれるはずのパスコースを切ります。

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こうするとサイに対して省エネで守れてしまうわけですね。

クワトロに対しても基本は同じです。

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では、これに対して攻撃側はどのような対処ができるのでしょうか?

 

(1)間受けからのアラコルタ

はい、また意味の分からない単語達が出てきましたね(笑)。

専門性の高い用語ばかりで本当に申し訳ありません。

丁寧に説明していこうと思います。

 

 

①間受け

まず、間受けというのは私が勝手に使っているいる造語です。

基本的に次のように段差を作って受けることを指しています。

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ここで注意してほしいのは私は次のような状態を間受けとは呼びません。

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では、この違いは何かと言うと要はその先にパスコースが存在するか。

つまりサイができる状態かどうかだと思っています。

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間受けに関しては理解できましたでしょうか?

また、機会があればこれに関しても詳しく解説するかもしれません。

 

参考動画


間受け

 

 

 

②アラコルタ

これに関しては本当は先に紹介しておくつもりでしたが、結局できていないままでしたね。

これは1つのトラップ時の個人戦術だと考えています。

次のようにダイヤモンドのアラがパスを受ける状況を想定します。

ここで普通にパスを受けるのではなく、次のように内側に入り込むようにトラップすることをアラコルタと呼んでいます。

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足裏でなければいけないわけではありませんが、フットサルはやはりコートが狭いので足裏で行う選手が多いです。

言葉で説明するのは難しいので、次の動画を観てイメージをつかんでいただければなぁと思います。

詳しい説明はまた今度(笑)。

 

参考動画


アラコルタ

 

 

 

 

③本題(間受けからのアラコルタ)

動画を観ていただいた方はもう何となく想像ついているかと思いますが、説

明していこうと思います。

先程の守備の話を思い出してくださいね。

マークの受け渡しをしっかりとされると1個飛ばしのパスを出すことは容易ではありません。

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では、どうすればいいかと言うとこの受け渡しのタイミングを狙うことになります。

受け渡ししてマークをチェンジする瞬間に間受けするわけですね。

すると相手選手はマークをチェンジしたはずなので一瞬チェックが遅れることになります。

さらに、ここで先程説明したアラコルタを行うと一気に中のスペースに入り込めます。

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これが「間受けからのアラコルタ」なわけですね。

もっと良いネーミング無いのかよって感じですが(笑)。

また考えておきます(笑)。

理解していただけましたでしょうか?

相手のディフェンスのレベルが高くなるほどこのようなパターンも必要となってきます。

 

参考動画


クワトロによる崩し(間受け、中央突破、疑似カウンター)

 

 

 

(2)位置的優位によるバックドア

次もマークチェンジによるギャップを狙うパターンとなってきます。

次のような状態でサイを行います。

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ここで、守備側としてはパスコースを切っているわけですが実は偽ピヴォは既に裏を取っている形になります。

ここにループ気味のパスを出すと一気にチャンスになるのです。

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本来バックドアというのは走って裏を取ることになりますが(多分)、このバックドアはマークチェンジの瞬間を狙ったものとなっています。

クワトロでよく見られるので、是非注目してみてください。

 

参考動画

分かりにくいとは思いますが、これもマークチェンジを利用して裏を取っています。


定位置(クワトロ、コルテ、バ、1対1、面)

 

 

 

(3)中央パラレラ

こちらはマンマークでもたまに見られるのですが、一気にサイをした選手にパスを出すということがあります。

図にすると次のような形です。

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これは非常に難易度は高いですが、成功するとかなりチャンスになりますね。

また、偽ピヴォだとあまり見られませんがクワトロだとよく使用されているかと思います。

クワトロで成功する中央パラレラは主にこのマークチェンジのずれを狙ったものが多いですね。(トップレベルになればなるほど)

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参考動画


定位置(偽ピヴォ、サイ、受け渡し、中央パラレラ)

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

サイについての理解も深まったかなと思います。

ただ抜けるだけの動きでも、トップレベルの選手はそこから色々なパターンが頭にインプットさています。

その頭の中を少しでも覗くことができるととても面白いのではないかな~と思います。

是非これから観戦するときはサイでの駆け引きに注目してみてくださいね!!