マッチレビュー 〜プレシーズンマッチ ハエン対バルデペーニャス〜
どうもー。
グロッケンですー。
最近全然ボールを蹴れていないので、たまには個サルでも行こうかなと思っています。
大阪京都辺りでおすすめの個サルとかあれば是非誘ってください〜。
多分すぐにバテバテになる気がしますが(笑)。
はい、ということで今回はマッチレビュー第2弾です。
前回のマッチレビューが好評かどうだったかは知りませんが、またユーチューブで動画を見つけたので新鮮なうちにマッチレビューしてやろうと思いこの第2弾が企画されました。
もちろん、まだプレシーズンなので対戦カードは渋いです(笑)。
そういえば近々インターコンチネンタルカップ(クラブワールドカップ的なやつ)があるので、また動画を見つけることができればそちらも書いてみようかなと思います。
取り敢えず今回は渋いカードをお楽しみください(笑)。
試合動画
#VIITrofeOlivo - Jaén Paraíso Interior FS vs Viña Albali FS Valdepeñas - YouTube
(1)チーム紹介 〜ハエン(Jaen)〜
はい。
またハエンです。
またまたハエンです。
別にハエンのサポーターな訳ではありません(笑)。
前回のブログ記事を見ていただいた方はこのチームについて既に知っていると思います。
知らない方はこちらの記事で紹介しているのでそちらで確認してください。(もっかい書くのが面倒なんだな)
(2)チーム紹介 〜バルデペーニャス(Valdepenas)〜
このバルデペーニャスは昨シーズン、念願の1部リーグへの自動昇格を決めたチームです。
低いカテゴリーからゆっくりと上がってきたチームで、ここ数年間2部でプレーオフに進出しながらも1部昇格を決められずにいました。
その分、今シーズンから1部リーグで戦えることは非常にファンとしても嬉しいでしょう。
チームは1部昇格に当たり何人か補強を行いましたが、主力は主に昨シーズンのメンバーが中心になっています。
初の1部リーグでどのような結果を出せるのか非常に楽しみなチームです。
(2)試合内容
試合は前回と同じくハエンのホームで行われました。
左の青色がバルデペーニャス、右の黄色がハエンです。
ハエンのラインナップは前回と同じです。
対するバルデペーニャスはこちらです。
ハエンは今回の試合で色々なシステムを試していました。
前回はほとんど流動的な偽ピヴォダイヤモンドが中心でしたが、クワトロや純粋なダイヤモンドなども使用していました。
一方のバルデペーニャスは基本的にダイヤモンドなのですが、時にクワトロになったりなど非常に可変的なシステムを導入していました。
2、3年前のウィルデがいた頃のバルセロナをイメージしてもらえると分かりやすいかもしれません。(詳しくない人はすみません、スルーしといてください)
ディフェンスは共に積極的でしたが、バルデペーニャスはなかなかハエンを嵌めきれない印象でした。
そこはさすが昨シーズン4位のチームだなと感じました。
では、具体的に気になるポイントを1つずつ見て行きましょう。
①ハエンのシステムのバリュエーション
前回のマッチレビューを読んでいただいた方は分かるかと思いますが、ハエンはこの試合より前に行われたUMAとのプレシーズンマッチでシステムをほとんど偽ピヴォダイヤモンドに固定していました。
これは昨シーズンのやり方と同じで、昨シーズンはこれで安定的なパス回しを行なってきました。
しかし、前回のUMA戦では決定的なチャンスをパス回しから作っていくことができず非常に苦戦していました。
そこで恐らくシーズンオフ期間から準備していたのだと思いますが、この試合で新たなシステムを導入してきました。
1つ目は中央にピヴォを置いた純粋なダイヤモンドです。
このピヴォの位置にはビンヨバが入りました。
このシステムではビンヨバが上手く起点となってプレスを回避することができていました。
チャンスを作ることが少なかったので、ピヴォに当ててからの展開はこのシステムのこれからの課題のようです。
何にせよ、新たな形を見つけることができたのは非常に良いことでした。
2つ目に新たに導入されたのがクワトロです。
ハエンの普段から使用している偽ピヴォのシステムは非常に流動的で、ある意味クワトロに近いため戦術的な部分の理解度はチーム全体としてあるようで、昨シーズンもたまにこのクワトロの形を見かけることがありました。
ただ、昨シーズンは最初はクワトロでも段々偽ピヴォダイヤモンドの形に変わってきたりとあまりクワトロそのものとしてチャンスへ繋がることは少なかったように感じます。
しかし、今回の試合でこのクワトロは非常に大きな威力を発揮しました。
その原動力となったのがマウリシオとピケラスです。
この2人は主にフィクソを務めているのですが、攻撃においても非常に優れた判断能力でクワトロの動きを活性化させていました。
この2人に加えもともと流動的な偽ピヴォダイヤモンドをこなしていた選手達がしっかりとしたパス回しを行なったため、バルデペーニャスにとっては非常に脅威となりました。
それが顕著に現れたのがハエンの2点目のシーンです。
形としては非常によくある形で、上手く3人組のトライアングルを活用してワンツーから一気に相手を崩したという得点でした。
図で説明していきましょう。(動画の18分30秒辺りからのシーンです)
キーパーからのボールを受けた所から始まります。
フィクソの選手がボールを渡して抜ける動きをします。
ボールはサイドにはたかれ、それを確認した抜ける動きをしたフィクソの選手が折れるようにボールに寄って行きます。
このボールに寄っていった選手を使ってワンツーをして一気に崩して2対1へ持ち込み、そのままゴールへと繋げました。
この一連の動きはクワトロを知っている人からすればよく見る形だとは思いますが、それをしっかりと高い強度の中でもやれるという部分がさすがハエンだなと感じました。
クワトロは今シーズンのハエンにとって大切な武器の1つになるかもしれません。
②ハエンのフィクソの守備
ハエンを観察していて感じたのは、フィクソの守備が非常に安定感があるということです。
色々な選手がフィクソをすることがありますが、先程挙げたピケラスなどに加えジアソンやラファ・ロペスなども上手く相手のピヴォを抑えていたように思います。
また、ピケラスに関しては数的不利の状況での判断能力が非常に優れていて、カウンターのピンチを何度も防いだだけではなくそこからさらにチャンスへ繋げるなど活躍しました。
実際1点目のシーンはピケラスのパスミスから始まっていますが、そこからの寄せの判断が鋭く相手のパスミスを誘いカウンターからの得点へと繋げています。
まさに自分のミスを帳消しにするどころか、むしろプラスにしてしまう素晴らしいプレーでした。
このような選手の存在は非常に重要で、ハエンはこのような選手を多く揃えており安定感は本当にリーグ随一かと思われます。
③バルデペーニャスの攻撃
ハエンに対してバルデペーニャスはほとんど同じ攻め方を行なっていました。
と言っても常にあるシステム、というよりは色々なシステムに随時変わっていく可変的なシステムを取っていたように思います。
これは選手の戦術理解度が非常に求められるので、ある意味バルデペーニャスはそこに自信があるのかなと思います。
ただ、結果的にはあまり自分たちのオフェンスからは良い形を作れていませんでした。
惜しいシーンはたまにあるのですが、まだまだ物足りないかなという感じです。
唯一チームの中で可能性を作っていたのは、ピヴォ陣だったかなと思います。
特に22番のナチョ選手は前線で起点となることが多く、ここを上手く使えるようにすればオフェンスの怖さは増すかなと思います。
④ハエンのキックイン
ハエンのキックインで非常に面白いシーンがありました。
前回の記事を読んでいただたいていれば分かると思いますが、ハエン対UMAの試合でUMAがスペインリーグでは珍しく高い位置のキックインでパラレラを使用していました。
これを真似たのか(そんな訳ない)、ハエンもこの試合でキックインにパラレラを活用していました。
形としては図のような感じです。
割と惜しかったこともあり、この高い位置でのパラレラはもしかするとハエンにとっての武器の1つになるかもしれません。
まさかUMAではなくその対戦相手であったハエンがキックインでのパラレラを活用してくるとは思っていませんでしたが(笑)。
⑤やらかした男
今回の試合で1人完全にやらかしてしまった選手がいました。
それがハエンのアイトール(?)です。
あまり目立つ活躍ができなかったどころか、ハエンの1失点目のシーンでは完全な数的優位の状態でフリーで受けたにも関わらず、シュートかパスかよく分からないボールをゴレイロにキャッチされてしまい、逆にカウンターを食らってしまって失点するというまさに2点分の損失と言っても過言でないプレーをしてしまいました。
まぁ、悪くないプレーもあっただけにこの大きなマイナスポイントを作ってしまったのは非常に痛かったです。
しかし、よくよく見てみると彼は今季からセカンドチームより昇格してきた期待の若手。
僕の1つ年上の22歳とまだまだこれからの選手です。
長い目で見守っていきたいです。
めげずに頑張れアイトール!(そもそも読み方がアイトールで合ってるか分からない)
↓落ち込むアイトールを慰めるラファ・ロペス
⑥やっぱり緩慢なセットプレーの守備
前回のハエン対UMAで指摘したセットプレーの守備の脆さがこの試合でも見られました。
ハエンの2失点目は次のような形のキックインでの失点です。
もちろんバルデペーニャスのセットプレーが素晴らしかったという点もありますが、ハエンとしてはこの失点は避けたかった部分です。
改めてハエンはセットプレー守備を見直すべきかと思います。
⑦バルデペーニャスのチョンドン
バルデペーニャスは高い位置でのキックインの際にチョンドンの形から色々な工夫をすることが多かったです。
この精度をもっと高めれば、セットプレーがさらに脅威になるかと思います。
チョンドンを使うチームの人は是非参考にしてみてください(笑)。
⑧パワープレー
試合終盤はハエンがリードしていたのでバルデペーニャスがパワープレーをするという形でした。
バルデペーニャスは基本的にV字型を使っており、何度か惜しいシーンもありましたが決めきれないとい印象を受けました。
パワープレー返しにあったシーンも、折り返したボールが中途半端でこぼれてしまい、そのボールが相手に渡ってしまったという形でした。
1部リーグで戦っていく上でも、バルデペーニャスとしてはまだまだパワープレーの精度を高めていく必要性がありそうです。
(3)総論
ゲームの結果は4対2でハエンに軍配が上がりました。
スコアほどの実力の差を見せつけられたわけではありませんが、やはりハエンは安定感がありさすがだと感じる部分も多かったです。
試合内容としては結果的に両者にとってい第2PKが大きなターニングポイントとなりました。(バルデペーニャスは外し、ハエンは決めた)
バルデペーニャスはオフェンス・ディフェンス共にまだまだ精度を上げていく必要性があると実感したと思いますが、ひとまず1部に上がったばかりという点を考慮すると及第点といったところでしょうか。
ここからどのようなチームに仕上げていくのか楽しみです。
ハエンはこの試合で色々な新しい形を試し、使えるものと使えないものを見極めることができた良い機会になったかと思います。
チノやボイスの離脱によってできた穴をしっかりと埋めて新シーズンを戦い抜くことができるのか。
ハエンとしてはしっかりとチームを仕上げた状態でシーズンに入っていきたいところです。
ということで今回のマッチレビューは以上です。
昇格組と2連戦を終えたハエンはどのように修正してシーズンに挑むのか。
一方のバルデペーニャスはハエンとの戦いという貴重な経験をいかにシーズンへと還元することができるのか。
スペインリーグ新シーズン、期待して待ちましょう。