ディフェンスの間を突く「エントレリネアス」(2)
こんにちは~。
ワールドカップも盛り上がってきていますが、実はスペインフットサルリーグの方はプレーオフが終了しました。
結果としては年間1位のインテル・モビスターが同2位のバルセロナをくだして優勝を決めたのですが、これが最終戦のPK戦までもつれるという非常に熱い展開だったんですねー。
すごく面白い試合だったのでハイライトだけでも観る価値はあるかと思います。
特に4戦目はバルサファンからすると胸熱すぎる展開でした。
この試合のハイライトを載せておきますね(笑)。
FC Barcelona Lassa - Movistar Inter Final Partido 4
スペインリーグはオフに入りましたが、Fリーグは開幕してこれからという時期ですので是非フットサル界の方にもご注目ください。
さて、本題に入っていこうと思います。
テーマとしては「エントレリネアス」について扱っていますが、前回まではどのようにエントレリネアスへ入っていくかを見ていました。
今回は実際にエントレリネアスを行った後、攻撃としてどのように展開していくかをパターン別に見ていこうと思います。
(2)エントレリネアスからの展開
ライン間で受けるだけでは実は相手からすると怖くありません。
そこからどのようにして崩すかイメージを持つことで脅威となります。
そのために事前にパターンを把握することは非常に重要になってくるのです。
実際の試合では相手ディフェンスや味方との位置関係などを認知し、どのように展開していくか考えることになります。
①ゴール方向に向かう
試合中によく「ターン!」や「フリー!」といった声が聞こえることはないでしょうか?
基本的にこのエントレリネアスをしたときに前を向ける状況で周りが叫ぶことが多いです。
つまりプレッシャーがあまりかかっていない状態で前を向くことで、一気にゴールへの勢いを持って攻めることができるのです。
図解する必要などないように思いますが、一応(笑)。
参考動画
定位置(クワトロ、エントレリネアス、疑似カウンター、横ワンツー、折り返し)
②横ワンツー
ライン間を使った際によく見られる崩しとしてワンツーがあります。
サッカーでもよく使われていますね。
ライン間でボールを受けると次のように相手ディフェンスは一瞬ボールウォッチャーになることが多いです。
この隙にボールを出した選手が裏を狙う。
結果的にワンツーの形にるというわけですね。
これで綺麗にやられると相手はたまったもんじゃありません。
なのでライン間で受ける所を狙って潰しにくることも多いです。
それを回避するためにも、次のようにワンツーの壁役となる選手は自分のマークと距離を取るような動きができると良いですね。
参考動画
クリアランス(クワトロ、サイ、1個飛ばし、カーテン、逆アラの動き、エントレリネアス、横ワンツー、テクニカルファウル)
③リターンからの逆アラのバ
すみません、何言ってるか分かんないよって人もいると思います(笑)。
言葉で説明するのは難しいのでさっそく図で説明していきますね。
まず、リターンというのはこのようにボールを受けてから元の選手に返すことを指しています。
基本的にはリターンはリターンして終わりなのですが、崩しのパターンとしてこのリターンをした場合、逆サイドにいる選手が裏を狙うというのがなんとなくの定石としてあったりします。
まぁ定石とは言っても、そこまで頻繁に見られるわけではありませんので固定概念としてとらわれないようにしてください。
理屈としては②の横ワンツーと似ていて、ボールウォッチャーの性質を利用しています。
ライン間でボールを受けたとき、視線は次のようになります。
リターンするとこうなります。
そうです、ほとんど逆サイドの選手は視界に入っていないことが分かるかと思います。
したがって裏を取れる可能性が高くなるのです。
是非パターンとして覚えてみてください。
参考動画
ローキックイン(偽ピヴォ、コルテ、エントレリネアス、リターン、バ)
④リターンからのカーテン
これに関しては崩してはいませんが、よく見られるパターンなので紹介しておきます。
リターンは先程説明したとおりです。
そこにエントレリネアスした選手がカーテンという動きをします。
これをすることでボールホルダーがカットインしやすくなります。
これにより次のように裏を狙ったりピヴォに当てたりしやすくなるわけです。
参考動画
2回目のエントレリネアスです。
ローキックイン(偽ピヴォからクワトロへ、コルテ、エントレリネアス、フラッシュ、エントレリネアス、リターン、カーテン、ジャグ抜け)
⑤偽ピヴォ当て
この辺からはかなりディープな部分に入っていくことになるかと思います。
半分自論に近い部分もあるので聞き流す程度で良いかなと。
深く戦術を知りたいという人は別ですが(笑)。
それで、この偽ピヴォ当てというのはエントレリネアスを経由して偽ピヴォに当てるパターンのことです。
図にすると次のようになります。
なかなか実際にお目にかかることはないのですが、可能性を広げるという意味では注目してみても良いパターンかもしれません。
参考動画
ミドルキックイン(バックカット、1個飛ばし、3人旋回、エントレリネアス、偽ピヴォ当て、縦ワンツー)
⑥疑似ピヴォ当て
これも先ほどと同様あまり見かけることのないパターンです。
ただ、ボールキープのうまい選手を上手く活かすことのできる戦術として、今後トレンドがくるかもしれません(笑)。
図で説明していきます。
簡単に言えばライン間で受ける選手を疑似的なピヴォとして捉える戦術になってきます。
つまり、展開の種類としてはピヴォ当てに近いです。
1つ目に背負ったままターンして突破というものがあります。
これは案外効果的です。
やはりこれができると相手選手も簡単には背後からプレスに行けなくなるので、エントレリネアスがより面倒になるわけです。
2つ目に落としてシュートがあります。
これは高い位置でのエントレリネアスを前提としています。
アイソレーションの記事でも取り上げたかと思います。
3つ目に低い位置だった場合、落としてシュートではなくその落としのボールをもらってラインを突破していくというものがあります。
スピードに乗った状態でボールを受けることができるので、相手は意外とついていけません。
4つ目に落としてもらったボールをピヴォに当てるというものがあります。
これは完全に自分の空論なので無視してもらってかまいません(笑)。
ただ、このようなパターンも理論上存在すると考えています。
参考動画
ターン
プレス回避(ダイヤモンド、カーテン、フラッシュ、エントレリネアス、反転、内側ターン、疑似カウンター、1対2、シュートパス、こぼれ球、ファー詰め)
落としシュート
定位置(ボックス、フラッシュ、エントレリネアス、疑似ピヴォ当て、落とし、ダイレクトシュート、ミドルシュート)
落とし突破
プレス回避(クワトロ、デスカルガ、間接カーテン、エントレリネアス、3人目の動き、疑似カウンター、ゴール)
落としピヴォ当て
見つかりませんでした。。。
ということでエントレリネアスからの展開については以上となります。
いかがだったでしょうか?
2回続けてエントレリネアスの話をしてきましたが、なんとなく理解していただければ幸いです。
レベルが高くなってくると守備側もこのエントレリネアスに対して対抗策を講じてくるなど、駆け引きがよりいっそう面白くなっています。
是非、派手なドリブルだけでなくライン間で受ける動きにも注目していってもらえればと思います。
お読みいただきありがとうございました~。($・・)/~~~