ベクトルで作り上げる人外のスピード(1) ~中トラップ編~
こんにちは〜。
最近質問をたくさんいただいておりますが、その結果回答でツイッターを荒らしてしまっております(笑)。
うるさい人はミュートしておいてくださいねー。
ついついたくさん答えてしまうので連投という形になってしまうのです(笑)。
あと、私は本当にただの戦術オタクみたいな立場なのでプレー自体のアドバイスなんかはあまりあてにしないでください(笑)。
さて、今回のテーマはトラップです。
フットサル個人戦術バイブルという本があってその本にはスペインで個人戦術とされているものが色々と紹介されているのですが、その中にトラップに関する個人戦術も載ってあります。
それでもって今回紹介するのはベクトルを上手く利用したトラップです。
まぁ、ベクトルとかちょっと小難しい言葉を使っていますがそんな気にしないでください(笑)。
仕組みはいたって単純です。
今回は中トラップ(アタカール・エルバロン)とアラコルタについて紹介していこうと思います。
(1)中トラップ(アタカール・エルバロン)
はい、ということでまず1つ目。
多分呼び方は人によって違うんじゃないんですかね。
私は中トラップと呼んでいます。
で、これはどういうものかと言うと割とシンプルな足裏でのトラップです。
皆さんトラップというと「止める」というイメージが強いかと思いますが、このトラップはボールを舐めるように。
つまり動かしながら行うトラップです。
文字で説明するのは限界があるので図で示していこうと思います。
取り敢えずこのようなダイヤモンドを想定します。
フィクソからアラの選手にボールを出した時に普通にトラップするとこのような状態になります。
まぁ、これが当たり前かと思います。
しかし何度もこのように足元に止めるトラップをしていると相手のディフェンスからするとそのトラップの瞬間が狙いやすくなります。
そこで上手く相手の勢い、つまりベクトルを逆手に取るトラップが生まれました。
これが「中トラップ」です。
相手のアラは基本的にピヴォ当てのパスを警戒するために中を絞っています。
そこからパスが出たアラへのプレッシャーは次のような形でかけることになります。
つまり外側に向かってベクトルが伸びているのがわかると思います。
では、これを逆手に取るにはどうすれば良いかと逆の内側にトラップすれば良いのですね。
フットサルの選手は主にこのトラップを足裏で行っています。
やはりレベルが上がればあがるほどトラップの正確性が大事になってくるからですね。
さらに足裏でトラップをすると次のアクションにも移行しやすいのではないかな、と個人的には考えています。
また、この中トラップ。
ここからは完全に自論なので無視していただいても良いのですが、レベルが上がってくるとトラップだけでなくその事前動作からベクトルを作っているのではないかなと思います。
どういうことかと言うとトラップだけを意識すると動く距離は次のようになります。
一方でボールをトラップする前から動きはじめると、最終的な移動距離は伸びることになります。
これを相手のベクトルと合わせると相手からすると一気に内側にカットインされたのと変わらなくなります。
これが僕の言う人外のスピードです(笑)。
一応タイトル回収しときました(笑)。
こうすることで相手のプレスの網を上手くかいくぐることができます。
これが「中トラップ」と呼んでいるものです。
ちなみに別称のアタカール・エルバロンとはボールに向かってアタックするという意味だったと思います。
中トラップを成功させようと思ったらボールに対して自分から向かう姿勢が大事なんですね。
また、この中トラップはただ単に相手を剥がすだけの効果があるわけではありません。
内側でボールを持つということの優位性が得られるのです。
どういうことか図で解説します。
同じ高さでも外側でボールを受けるとパスコースは次のようになります。
一方で内側だと次のようにパスが出しやすい状況になります。
(ピヴォへのパスコースが広がるだけでなく、他の選手との距離感も狭まるのでより出しやすい状況と言えます。)
このように中トラップを覚えるだけでも、選択肢の幅が広がるかと思います。
中トラップはプロの試合でも頻繁に使われているので是非注目してみてくださいね。
参考動画
今回は以上となります~。
本当はアラコルタも紹介したかったのですが、中トラップだけで想像以上に長くなってしまったので次回に持ち越そうかと思います。
ということで次回予告!
「ベクトルで作り上げる人外のスピード(2) ~アラコルタ編~」
いや、予測つくわ(笑)。