2-1-1システムの攻撃法について考察してみた
こんにちはー。
最近とあるツイートを見て色々と考えさせられることがありました。
人間どうせ100年後には皆死んでいるんだから権力とかプライドとかどうでも良いと思って自分のしたいことをしていくべきだ!って感じの内容でしたね。
あ~。
就活のことを考えているときにこんなツイートを見てしまうとますます自分はどこに向かって行くべきなのか分からなくなります(笑)。
本当に2年後の自分は一体何をしているのでしょうかね?
留年だけはしていないことを祈るのみです・・・。(/ω\)
さてさて、今回のタイトルは少しばかりいつもと違うものになっています。
今までは1つの現象について紹介してきましたが、今回はシステム論です。
というのも、質問箱で次のような質問が来たんですね。
2-1-1の攻撃パターンですか...。
— グロッケン(桐灰) (@giriguro) 2018年5月1日
実は定位置攻撃で2-1-1をやっているチームはほとんど見たことがなく、クリアランスの状態の初期配置がそのようになっているのが何とかあるかなという感じですかね。
あ、でもシュライカーはもしかしたら...。#peing #質問箱 https://t.co/4joQGNKp4d pic.twitter.com/Dd5rhvuFOl
ツイートにも書いてありますが、2-1-1という状態はオフェンスではなかなか珍しいシステムだと思っています。
なのでこの2-1-1自体に定石みたいなのはあまり知られてないんじゃないかなと思います。
私も正直頭の中にこれといったものはありません。
ということで、自分にとっても良い機会なので自分なりに2-1-1のシステムについてまとめてみようかなと思い、今回の記事を書くことになりました。
今までの記事に関しては自分なりにはしっかりと文献を読んだり動画を観察したりなどである程度の確証を持った状態で書いてありましたが、今回は全くそのようなことはありません!
なのでタイトルもいつもに比べて弱気になっております(笑)。
是非興味のある方は考察記事ではありますが、見てくださいね。('ω')ノ
まず、2-1-1の状態は主に2つに分けられると思います。
1つは逆Y字。
もう1つはL字型。
この2つについてそれぞれ見て行こうと思います。
(1)逆Y字
図にするとこのようになります。
Yが逆向きになっているように見えるのでこのようなネーミングになっています。
では一体この状態からどのような攻撃法があるのでしょうか?
1つ1つ見ていきましょう。
①エントレリネアスからの横ワンツー
これが実際の試合では割と見られる崩しかなと思います。
逆Y字というのは最初から選手が1人ライン間に入り込んでいるという形になってきます。
したがってそこにパスを通すというのは自然な発想かと思います。
1つのポイントとしてはライン間で受ける選手がなるべくマークを剥がした状態で受けることになります。
そのためよく見られる動きとしては最初は少し高めの位置を取っておき、ワンツーをもらいうときに落ちてくるという動きが見られます。
参考動画
プレス回避(バックパス、逆Y、エントレリネアス、横ワンツー)
②落ちてきてカーテン・ブロック
もしライン間でボールを受けれない状態だと感じた場合にはこのパターンが有効かと思います。
例えば2列目のプレッシャーがとても激しくライン間に出すのは危ないという状況を想定してみましょう。
このとき、2列目の選手はライン間で受けることをあきらめてカーテン・ブロックといったサポートに入ります。
このサポートの結果上手くカットインできたとしましょう。
すると次のようにピヴォへのパスコースが大きく空いていることが分かると思います。
したがってピヴォ当てが上手くできるかと思います。
ここで例えばブロック&コンテニューの要領を利用すると次のように3人目の動きにもつなげられるかと思います。
さらにピヴォ当てができなかたっとしても逆サイドの選手が裏を取ったり、高めの位置でボールを受けることでラインを上げることができるかと思います。
参考動画
ダイヤモンドの状態から始まっていますが、フィクソがストップすることで逆Yの形になっていることが分かるかと思います。
定位置(ダイヤモンド、フィクソのフィンタ、カーテン、フロート、カットイン、パスミス)
③アイソレーションからの縦突破
これはある意味当たり前なのですが、この逆Yという形は選手同士の距離感があるため最終ラインの選手のアイソレーションの状態と考えることができます。
したがって、次のようにドリブルの上手い選手に縦に仕掛けさせることも立派な戦術の1つになってきます。
参考動画
④サイドでのピヴォ当て
こちらも当たり前のように感じるかもしれませんが、逆Yの状態ではサイドのスペースが大きく空いています。
したがってそこにピヴォが走り込むことでピヴォ当てという形で展開することが可能です。
この時に次のような3人目の動きを狙うこともできるかと思います。
参考動画
少々分かりにくいかと思いますが、一応逆Yの形に近い状態からのゴールとなっています。
プレス回避(逆Y、偽ピヴォ当て、疑似カウンター、オーバーラップ)
⑤2列目からのジャグナウ
先程のピヴォ当てをもらうためにピヴォの選手がボールサイドへ顔を出したとします。
このように選手が動いたということは新たなスペースが生まれたということになります。
どこかというと逆サイドの高い位置ですね。
したがってここを突くような形で2列目の選手がジャグナウを仕掛けるのもありかと思います。
非常に難度は高くなってくるかと思いますが、試す価値はあるかと思います。
参考動画
⑥2列目のサイドへの移動
2列目の選手が中央からサイドへはけることで相手の混乱を生むことも可能かと思います。
例えばボールサイドへ移動したときにはこのようになります。
ここでピヴォへのパスコースが新たに創出されたことが分かるかと思います。
したがって一気にピヴォ当てを狙うこともありかと思います。
また、相手が中を絞っていてそれが難しいときはサイドへはけた選手にボールを出すことでワンツーを次のように狙って行くことも可能かと思います。
ボールサイドとは逆方向へはけた場合は1個飛ばしを狙っていくことが可能かと思います。
参考動画
実は3人旋回は理論的に途中で逆Yの形になります。
そこから今回紹介したパターンへと移行したのが次の動画です。
⑦疑似ピヴォ当て
これに関しては①とほぼほぼ一緒なのですが、高い位置でのエントレリネアスは疑似ピヴォ当てとすることができるというのは話したことがあるかと思います。
アイソレーションの話でしたかね?
したがってこの逆Yも理論的にはそれが可能になってきます。
参考動画
定位置(ダイヤモンド、コルテ、偽ピヴォ当て、アイソレーション、エントレリネアス、疑似ピヴォ当て、ケブラ、落としmダイレクトシュート、ミドルシュート)
逆Yに関しては以上となります。
長々と話してしまい申し訳ありません。(*_*)
興味のない人にはなかなかしんどい記事だったかなと思います。
今回逆Yについてまとめていて思ったのは、ダイヤモンドの状態からフィクソがフィンタしたときや3人旋回の途中段階で逆Yの形になるので、逆Yからの展開について理解するのは何も逆Yをシステムとしなくても必要なことなんじゃないかなということです。
質問者さんにとって今回の記事が果たして参考になっているか分かりませんが、少しでも助けになっていると良いなと思います。(ブログ見てますよね?(笑))
非常に長くなってしまったのでL字は次回に回します。('ω')ノ
ベクトルで作り上げる人外のスピード(2) 〜アラコルタ編〜
どうも〜。
ゴールデンウィークですねー。
と言っても私は特に予定はありません。
しっかりとゴールデンウィーク明けに向けて充電しようと思います。
まずは生活習慣が乱れないようにしなければ、ですね(笑)。
そういえば来月あたりに神戸フェスタ?みたいやつがあるらしいのですが、なんとバルセロナのBチームが参加するらしいです!
都合がつけば見に行きたいですね~。
さて、今回は「アラコルタ」がメインテーマです。
以前のサイの記事で一度出てきているので何となく分かっているとは思いますが、より詳しくこの動きについて見て行こうと思います。
(2)アラコルタ
以前紹介した中トラップに似ているので、ごっちゃにならないようにしておいてくださいね。
まぁ、正直中トラップともアラコルタとも見分けがつかないグレーゾーンも存在したりしますが(笑)。
アラコルタはベクトルを利用して一気にカットインしていく動きとなります。
中トラップに比べてより積極的にゴールに迫る動きと言えるでしょう。
取り敢えず動画を見てみましょうか(笑)。
前にも貼ったので2回目の人は飛ばしておいてください。
では実際の流れについて見ていきましょう。
次のようにダイヤモンドを想定します。
ここで普段はそのまま止まってボールを受けることになりますが、アラコルタは動きながらボールを受けます。
中トラップの記事を見た方は何となく想像つきますよね?(笑)
はい、内側に入り込むようにボールを受けます。
ここで、中トラップとの違いはボールを受ける時に身体の向きにあります。
中トラップは次のように身体を横方向やに向けることが多いですが、アラコルタは後ろ側を向くようにボールをもらうことが多いです。
どうしてこのようになるかと言うと、恐らくディフェンスとの距離感が原因なのじゃないかなと思います。
中トラップに比べてアラコルタはカットインすることに重きを置いているので、スピードで置き去りにするために敢えて近い距離感でボールを持とうとします。
そのため、中トラップのような向きでボールを持つと足を出される可能性があるからではないかと思います。
それではディフェンスと距離感が近いだけで相手を上手く置き去りにすることは可能なのでしょうか?
答えはノーです。
恐らくこれだけでは相手が予測してついてくることが可能かと思います。
したがって、中トラップの時と同様相手のベクトルを利用して本来以上のスピード感でカットインしていくことが大切になってきます。
ではどのようにして相手ディフェンスのベクトルを外側に向けさせることができるのでしょうか?
アラコルタに関しては大きく2つの種類に分かれているのではないかなと思います。
順番に説明していこうと思います。
①死角の利用
1つは相手ディフェンスの死角を上手く突くことで相手のベクトルを外側に持ってこさせることです。
これはどういうことかと言うとフィンタをイメージしていただきたいです。
ダイヤモンドを思い出してくださいね。
ここから裏を取りにいきます。
ここで、相手のディフェンスはボールと自分のマークを同一視野に入れることが難しくなります。
これが死角を突くという意味です。
そこで相手は後ろに下がりながら自分のマークについていきます。
ここでフィンタを思い出してください。
急にベクトルの方向を変えるんでしたね。
そこでアラコルタでは一気に内側へベクトルの舵を切ります。
すると相手のディフェンスは自分の経験上の予測から次のようなベクトルでプレスをかけようとします。
ここまでくれば勝ちです。
相手のベクトルとこちら側のベクトルを利用して一気に入れ替わるような形で中に入り込めるのです。
実際に成功させるのは難しいですが、上手くできるようになると武器になるかと思います。
参考動画
②マークチェンジの利用
こちらに関してはサイの記事で説明したかと思います。
まぁ、改めて簡単に説明しておくと次のようなサイの動きに対してマークはこのように受け渡します。
そこを上手く狙って受け渡しのタイミングを上手く見計らい「間受け」をするのでしたね。
この時相手ディフェンスは外側にベクトルが向いていますから自然とアラコルタの形になるのです。
参考動画
前も見たかと思いますが(笑)。
いかがだったでしょうか?
難易度が高い個人戦術ではありますが、これもしっかりと選択肢として持っておけると試合中のアイデアも膨らんでくるかと思います。
今回紹介した「中トラップ」と「アラコルタ」はまさにベクトルを上手く利用した個人戦術となっています。
このような相手との駆け引きも是非注目していってみてくださいね~。
次回は質問箱に届いた要望に応えようと思います~。
ベクトルで作り上げる人外のスピード(1) ~中トラップ編~
こんにちは〜。
最近質問をたくさんいただいておりますが、その結果回答でツイッターを荒らしてしまっております(笑)。
うるさい人はミュートしておいてくださいねー。
ついついたくさん答えてしまうので連投という形になってしまうのです(笑)。
あと、私は本当にただの戦術オタクみたいな立場なのでプレー自体のアドバイスなんかはあまりあてにしないでください(笑)。
さて、今回のテーマはトラップです。
フットサル個人戦術バイブルという本があってその本にはスペインで個人戦術とされているものが色々と紹介されているのですが、その中にトラップに関する個人戦術も載ってあります。
それでもって今回紹介するのはベクトルを上手く利用したトラップです。
まぁ、ベクトルとかちょっと小難しい言葉を使っていますがそんな気にしないでください(笑)。
仕組みはいたって単純です。
今回は中トラップ(アタカール・エルバロン)とアラコルタについて紹介していこうと思います。
(1)中トラップ(アタカール・エルバロン)
はい、ということでまず1つ目。
多分呼び方は人によって違うんじゃないんですかね。
私は中トラップと呼んでいます。
で、これはどういうものかと言うと割とシンプルな足裏でのトラップです。
皆さんトラップというと「止める」というイメージが強いかと思いますが、このトラップはボールを舐めるように。
つまり動かしながら行うトラップです。
文字で説明するのは限界があるので図で示していこうと思います。
取り敢えずこのようなダイヤモンドを想定します。
フィクソからアラの選手にボールを出した時に普通にトラップするとこのような状態になります。
まぁ、これが当たり前かと思います。
しかし何度もこのように足元に止めるトラップをしていると相手のディフェンスからするとそのトラップの瞬間が狙いやすくなります。
そこで上手く相手の勢い、つまりベクトルを逆手に取るトラップが生まれました。
これが「中トラップ」です。
相手のアラは基本的にピヴォ当てのパスを警戒するために中を絞っています。
そこからパスが出たアラへのプレッシャーは次のような形でかけることになります。
つまり外側に向かってベクトルが伸びているのがわかると思います。
では、これを逆手に取るにはどうすれば良いかと逆の内側にトラップすれば良いのですね。
フットサルの選手は主にこのトラップを足裏で行っています。
やはりレベルが上がればあがるほどトラップの正確性が大事になってくるからですね。
さらに足裏でトラップをすると次のアクションにも移行しやすいのではないかな、と個人的には考えています。
また、この中トラップ。
ここからは完全に自論なので無視していただいても良いのですが、レベルが上がってくるとトラップだけでなくその事前動作からベクトルを作っているのではないかなと思います。
どういうことかと言うとトラップだけを意識すると動く距離は次のようになります。
一方でボールをトラップする前から動きはじめると、最終的な移動距離は伸びることになります。
これを相手のベクトルと合わせると相手からすると一気に内側にカットインされたのと変わらなくなります。
これが僕の言う人外のスピードです(笑)。
一応タイトル回収しときました(笑)。
こうすることで相手のプレスの網を上手くかいくぐることができます。
これが「中トラップ」と呼んでいるものです。
ちなみに別称のアタカール・エルバロンとはボールに向かってアタックするという意味だったと思います。
中トラップを成功させようと思ったらボールに対して自分から向かう姿勢が大事なんですね。
また、この中トラップはただ単に相手を剥がすだけの効果があるわけではありません。
内側でボールを持つということの優位性が得られるのです。
どういうことか図で解説します。
同じ高さでも外側でボールを受けるとパスコースは次のようになります。
一方で内側だと次のようにパスが出しやすい状況になります。
(ピヴォへのパスコースが広がるだけでなく、他の選手との距離感も狭まるのでより出しやすい状況と言えます。)
このように中トラップを覚えるだけでも、選択肢の幅が広がるかと思います。
中トラップはプロの試合でも頻繁に使われているので是非注目してみてくださいね。
参考動画
今回は以上となります~。
本当はアラコルタも紹介したかったのですが、中トラップだけで想像以上に長くなってしまったので次回に持ち越そうかと思います。
ということで次回予告!
「ベクトルで作り上げる人外のスピード(2) ~アラコルタ編~」
いや、予測つくわ(笑)。
流動性の要「サイ」 (2)
はろはろ〜。
前回の記事の追記でも書いておりますが、なんとパルロの残留は決定してました(笑)。
いやー、良かったです。
また、リーグ戦が全試合終了したのでプレーオフの組み合わせも決定しました。
準々決勝の個人的な注目カードはハエン対オササナ・マグナですね。
3強の壁をぶち壊すことができる可能性の高い2クラブがいきなり激突し、インテルへの挑戦権を奪い合います。
そのインテルは初戦はアスピルビダルという8位のチームなので恐らく勝ち上がってくるでしょう。
また、別ブロックのエルポソ対パルマ、サラゴサ対バルセロナはスペインカップでパルマとサラゴサが勝利するという波乱が起こっている組み合わせでありますから、こちらも要注目です!
さて、スペインリーグの宣伝は置いといてサイの話に入りましょう。
前回はサイから1個飛ばしを行なった後の展開について見ました。
恐らく1個飛ばし自体のパターンは前回挙げたものがほとんどかなと思います。
もちろん、そこから3人目・4人目が関わってくるとパターンは無限大にはなるのですが・・・(笑)。
では今回は何を話すかと言うと、相手の守備がマークチェンジを行ってきたときのパターンについて話していこうと思います。
そうなんです、守備の仕方によって新たなパターンが生まれるのです!
では、まずそのディフェンスについて説明していきましょう。
今回もひとまず偽ピヴォダイヤモンドを前提に話していきます。
ここでサイの動きに入ります。
マンツーマンならばこのままアラの選手がついていきパスコースが生まれるのですが、ゾーンの場合抜ける選手を後ろのフィクソの選手に受け渡します。
そして、そのアラの選手はサイで抜けた後に生まれるはずのパスコースを切ります。
こうするとサイに対して省エネで守れてしまうわけですね。
クワトロに対しても基本は同じです。
では、これに対して攻撃側はどのような対処ができるのでしょうか?
(1)間受けからのアラコルタ
はい、また意味の分からない単語達が出てきましたね(笑)。
専門性の高い用語ばかりで本当に申し訳ありません。
丁寧に説明していこうと思います。
①間受け
まず、間受けというのは私が勝手に使っているいる造語です。
基本的に次のように段差を作って受けることを指しています。
ここで注意してほしいのは私は次のような状態を間受けとは呼びません。
では、この違いは何かと言うと要はその先にパスコースが存在するか。
つまりサイができる状態かどうかだと思っています。
間受けに関しては理解できましたでしょうか?
また、機会があればこれに関しても詳しく解説するかもしれません。
参考動画
②アラコルタ
これに関しては本当は先に紹介しておくつもりでしたが、結局できていないままでしたね。
これは1つのトラップ時の個人戦術だと考えています。
次のようにダイヤモンドのアラがパスを受ける状況を想定します。
ここで普通にパスを受けるのではなく、次のように内側に入り込むようにトラップすることをアラコルタと呼んでいます。
足裏でなければいけないわけではありませんが、フットサルはやはりコートが狭いので足裏で行う選手が多いです。
言葉で説明するのは難しいので、次の動画を観てイメージをつかんでいただければなぁと思います。
詳しい説明はまた今度(笑)。
参考動画
③本題(間受けからのアラコルタ)
動画を観ていただいた方はもう何となく想像ついているかと思いますが、説
明していこうと思います。
先程の守備の話を思い出してくださいね。
マークの受け渡しをしっかりとされると1個飛ばしのパスを出すことは容易ではありません。
では、どうすればいいかと言うとこの受け渡しのタイミングを狙うことになります。
受け渡ししてマークをチェンジする瞬間に間受けするわけですね。
すると相手選手はマークをチェンジしたはずなので一瞬チェックが遅れることになります。
さらに、ここで先程説明したアラコルタを行うと一気に中のスペースに入り込めます。
これが「間受けからのアラコルタ」なわけですね。
もっと良いネーミング無いのかよって感じですが(笑)。
また考えておきます(笑)。
理解していただけましたでしょうか?
相手のディフェンスのレベルが高くなるほどこのようなパターンも必要となってきます。
参考動画
(2)位置的優位によるバックドア
次もマークチェンジによるギャップを狙うパターンとなってきます。
次のような状態でサイを行います。
ここで、守備側としてはパスコースを切っているわけですが実は偽ピヴォは既に裏を取っている形になります。
ここにループ気味のパスを出すと一気にチャンスになるのです。
本来バックドアというのは走って裏を取ることになりますが(多分)、このバックドアはマークチェンジの瞬間を狙ったものとなっています。
クワトロでよく見られるので、是非注目してみてください。
参考動画
分かりにくいとは思いますが、これもマークチェンジを利用して裏を取っています。
(3)中央パラレラ
こちらはマンマークでもたまに見られるのですが、一気にサイをした選手にパスを出すということがあります。
図にすると次のような形です。
これは非常に難易度は高いですが、成功するとかなりチャンスになりますね。
また、偽ピヴォだとあまり見られませんがクワトロだとよく使用されているかと思います。
クワトロで成功する中央パラレラは主にこのマークチェンジのずれを狙ったものが多いですね。(トップレベルになればなるほど)
参考動画
いかがだったでしょうか?
サイについての理解も深まったかなと思います。
ただ抜けるだけの動きでも、トップレベルの選手はそこから色々なパターンが頭にインプットさています。
その頭の中を少しでも覗くことができるととても面白いのではないかな~と思います。
是非これから観戦するときはサイでの駆け引きに注目してみてくださいね!!
流動性の要「サイ」 (1)
こんにちはー。
最近リカルジーニョの移籍の噂が取りざたされているのですが、その有力候補とされているのがポルトガルのスポルティングというチームです。
このスポルティングは先日UEFAフットサルカップで現在リカルジーニョが所属しているインテル・モビスターと準決勝で対戦し敗れています。
そのスポルティングに移籍するかも、という状況なのでフットサルファンからすると面白い話題の一つなんです。
シーズンオフが楽しみですね。
ちなみに私の応援しているスペインリーグのパルロは先日リーグ5位のオサスナ・マグナと対戦し引き分けました。
依然降格圏ぎりぎりの順位ではありますが、チームの調子は悪くないようなのでこのまま残留を決めてほしい所ですね!(追記:パルロの残留既に決まってました!わーい!)
さてさて、本題に入っていきましょう。
今回は質問箱で「ピヴォアラについて解説してほしい」というのが来たのでそれにお答えする形です。
ピヴォアラってサイのことですよね???
違うかったらごめんなさい・・・。
で、まぁ質問されたとは言いましたがいずれやるつもりではありました。
と言うのもクワトロを語る上ではこのサイは絶対に欠かせない要素の1つだからです。
あ、私のこのブログの1つの目標としてクワトロについて解説したいと思っております。
解説というか、まぁ自分なりの解釈であったりとか。
クワトロ好きなんで。
で、このサイって一体何なんだ?って話ですね。
実は最近サッカー界隈の方でもこのサイについて注目されています。
その注目を浴びるきっかけとなったのがナポリのポゼッションサッカーです。
このナポリがフットサルにおけるサイの動きを攻撃にふんだんに取り入れていたのです。
私もよくとんとんさんやれうすさんといった方々の動画を観て勉強させていただいています。
で、たまに3 on line なんて言い方がされているのを見ますが、これも私はサイとほぼ同義と捉えています。(違うかったらすみません)
いや、だからサイって何やねん?って話でしたね(笑)。
図で説明していきます。
サイっていうのは非常に定義自体は難しいです。
私も割とふんわりとしたイメージでこの言葉を使っています。
まず、偽ピヴォダイヤモンドを前提として話を進めていきますね。(偽ピヴォが分からない人は過去記事を見てください)
ここで、アラの選手が次のように抜ける動きをします。
すると偽ピヴォへのパスコースが生まれるので、そこに対してパスを出すのです。
これを私は1個飛ばしと呼んでいます。
では、一体何がサイかと言うとこのアラの選手の抜ける動きをサイと呼んでいます。
ちょっと難しいですね(笑)。
抜ける動きがサイです。
それによって生まれたパスコースにパスを出すのが1個飛ばしです。
理解できましたでしょうか?
非常にシンプルですが、サイという現象自体はこれだけです。
要はこの動きからどのように展開させるかという部分が大事になってきます。
なので、サイ自体についての解説はここまでにしてサイからの発展部分をしっかりと見て行こうと思います。
ちなみに、ピヴォアラというのはピヴォとアラのポジションチェンジという意味だと思っていますので、つまりこれも結果的にサイの1種というわけです。
なのでピヴォアラについて質問されましたが、サイについて解説しております。
では、実際にサイからの展開について見て行きましょう。
(1)1個飛ばしからの中央パラレラ
これが一番サイにおける狙い所であると言えます。
アラの選手が抜けた後、1個飛ばしを行うとフィクソの選手が釣りだされます。(ということにとりあえずしておいてください)
それはつまり中が空いていることを意味しています。
サイから1個飛ばしを行ったときは、まず第一にこの中のスペースが狙い目となります。
そこを3人目の動きで狙い、一気に抜け出すのです。
図にするとこのようになります。
参考動画
クワトロですが、分かりやすいと思います。
クリアランス(クワトロ、ピサーダ、サイ、1個飛ばし、3人目の動き、中央パラレラ)
(2)1個飛ばしからのパラレラ
これは抜けたアラが3人目の動きで単純にゴールを目指すのではなく、さらに工夫してパラレラを行うというものです。
もちろん、相手もバカではないのでそう簡単に3人目の動きを許してくれるわけではありません。
そのようなときの打開策の1つです。
参考動画
(3)1個飛ばしからのジャグナウ
これは(1)に似ているように思えますが、3人目の動きでシンプルに裏を取れなさそうなときの方法の1つとなります。
(2)ではパラレラでしたが、それが今度はジャグナウになったのですね。
しっかりとベクトルの変化をつけることが大切です。
参考動画
クワトロによる崩し(サイ、1個飛ばし、ジャグナウ、ボレーシュート)
(4)1個飛ばしからのカーテン
抜けたアラはただただ裏を狙うだけでなく、1個飛ばしのパスを受けた偽ピヴォを補助することも可能です。
補助も色々とありますが、このカーテンはよくサイからの展開で見られるものですね。
特にクワトロでのサイでよく見られます。
参考動画
これもクワトロですが参考になると思います。
定位置(クワトロ、1個飛ばし、カーテン、偽ピヴォ当て、ピヴォ当て9
(5)1個飛ばしからのエントレリネアス
他にもストップすることも1つの手段となります。
ここでちゃんと覚えておいてほしいのは、ただ止まるのではなくしっかりとベクトルの向きを転換するという作業が必要だということです。
そうすると相手はアクションを警戒して距離をおくので、ライン間で受けることが可能となるのです。
参考動画
定位置(クワトロ、サイ、1個飛ばし、エントレリネアス、リターン、パスミス)
いかがだったでしょうか?
サイからの展開は基本的に1個飛ばしになってきます。
1個飛ばしをされたアラは相手の守備の対応を見てしっかりとアクションを行いましょう。
今回は全て1個飛ばしについて見てきましたが、もちろん全ての場合において1個飛ばしできるわけではありません。
相手の守備も1個飛ばしされることを想定した守備を行ってきます。
次回ではそれについて詳しく説明した後、サイからの他の展開について見て行こうと思います。
是非お付き合いください。_(._.)_
※ピヴォアラに限って言えば、さらに偽ピヴォについての過去記事を見ていただけるとよらピヴォアラによる攻撃のパターンについての理解が深まるかと思います
ベクトルで見るフェイクの動き(3)
こんにちはー。
めちゃくちゃ関係ない話なんですけど、最近自然言語処理の分野の話で例としてフットサルが出てきました。
フットサルって一応意味的にはフットとサルに分かれてる単語ですけど、実際にコンピュータで処理する時は〜サルっている猿の種類と勘違いしちゃうのでフットサルという一言で扱うそうです。
はい、それだけです(笑)。
まぁ、これ以上広がらない大した話ではありませんでした(笑)。
さてさて、フェイクの動きについての解説も遂に最終回です。
長かったですね〜。
フィンタ、ピヴォット、ジャグナウ。
皆さん覚えていますでしょうか?
今回は一番最後、ケブラについて取り扱いたいと思います。
それと番外編という形でまとめきれなかったフェイクについてもちらっと紹介しようと思います。
(4)ケブラ
ケブラについては過去の記事でも取り上げたことがあったと思います。
これはポルトガル語で「折れる」という意味でしたね。
つまり、この折れるという動きがフェイクに使われることがあるんですね。
ここでちょっと注意してほしいのが、実はジャグナウも一種のケブラです。
まあ折れてますからね。
じゃあ何でジャグナウをケブラの項に入れなかったかというと、私は普段ケブラという単語を本来のケブラよりも狭義の意味、つまりこれから紹介する動きだけを指しているものとして捉えているからです。
これは用語の定義をどうするかという問題で、細かく話し出すと面倒なのでまぁこの人はケブラをそう捉えてるんだなぁと流しといてください。
何度も言いますが、本来はジャグナウもケブラを利用した動きです。
さて、私の言うケブラはどのような動きかと言いますと次の図のようにベクトルをゴール方向に向けながらふと折れてボールに近づく動きを指しています。
この動きもやはりベクトルの角度が大切になってきます。
例えば次のようなベクトルで動き出すとしましょう。
するとベクトルを変えても角度が浅いので相手からするとついていきやすいです。
そのため、しっかりと角度をつけるために最初の走り出しをしっかりと考えなければいけません。
恐らくケブラに関しては90度つけられれば十分かと思います。
このケブラは主にヘドンド(旋回)の動きで見られます。
特に3人旋回を行う上では必須のスキルとなってきますので、是非理解しておきましょう。
ケブラをした後はどうするの?となるかもしれませんがそれに関してはまた今度お話ししようと思います。
まあ基本的にはエントレリネアス(ライン間で受ける)ことを狙っていきます。
参考動画
定位置(クワトロ、ケブラ、ピヴォット、エントレリネアス、ピヴォ当て、落とし、ミドルシュート)
(5)その他
フィンタからケブラまでの4つの動きに比べると少し汎用性は劣りますが、実際の試合でちらほら見られるフェイクを2つざっと紹介しておこうと思います。
①ケブラパラレラ
パラレラのうちの一種です。
昔のパラレラの記事で紹介したかと思います。
これもベクトルの転換を利用した動きです。
参考動画
②ミニジャグナウ
ジャグナウのミニバージョンです。
ミニバージョンと言っていますが、私はサイドレーンで行うジャグナウをこのように呼んでいます。
つまりどういうことかというと純粋なジャグナウは中央レーンで折れます。
それがミニジャグナウはこうです。
このようにジャグナウの動きを行うレーンの違いで私はこのミ二ジャグナウとジャグナウを区別しています。
このミニジャグナウに関してはスペインリーグのインテル・モビスターというチームに所属しているポルトガル代表のリカルジーニョが本当に上手いと思っています。
是非彼のオフザボールの動きに注目してみてください。
参考動画
定位置(クワトロ、フィンタ、ミニジャグナウ、サイ、1個飛ばし、カンビオデベロシタード)
フェイクの動きは以上となります。
長かったですねぇ。
お付き合いいただき本当にありがとうございます。
フェイクというのはボールのない状態で行う上での基本的な部分となってきます。
また、今回はいくつかに分類して紹介しましたがそのパターンというのは本当に無限大にあるかと思います。
ピヴォも良い状態でピヴォ当てしてもらえるように常に駆け引きはしていますし、実際にフェイクの動きだけに注目するだけでもかなり見応えはあるかと思います。
是非美しいパスワークの基礎であるフェイクに着目してみてください。
あなたのお気に入りのフェイクも見つかるかもしれませんよ!
※何かこれについて話してほしい!みたいなネタがあれば是非言っていただければ記事にしようと思います。別に戦術とかでなくてもプレー分析とか選手紹介とかそんなノリでも良いです。あれば是非ご連絡ください。(ネタ切れって言わない。一応まだネタはある。)
ベクトルで見るフェイクの動き (2)
どうもこんにちはー。
最近アクセス数がぐっと増えてですね、知り合いの方にシェアしていただいたりした結果なんですけれども、趣味で適当につらつらと書いてた自分としては見てる人がいるんだと変に意識してしまいます(笑)。
まぁ、でも変にウケを狙いに行くとかそういうことはせずいつも通りゆるゆる〜って書いていけたらと思います。
因みにこの前調べたんですけどもしお金を稼ごうとするとはてなブログでは1アクセス0.1円くらいで計算するらしいです。(確か)
もし月10万稼ごうと思ったら100万PV、つまり1日3万人くらいは訪れてもらわないといけないんですねー。
そう考えるとプロのブロガーってほんますごいですねー。
まぁ、やる気がないうちは変に稼ごうなんて思わないことですね(笑)。
てか、ブログもいいですけど今の時代やるならYouTuberですね〜。
フットサルYouTuberなんて聞いたことありませんが(笑)。
というかスポーツ系はどうしても映像の著作権とかが絡んでくるので難しいですねー。
ボードで解説してもコアな層にしか響きませんね(笑)。
フットサルYouTuberは夢のまた夢ですね(笑)。
あー、宝くじ当てたい〜。(°_°)
さてさて、現実味のない話は置いといて前回の続きに入っていけましょう。
今現在フェイクの動きについて見ているのですが、ファンタは既に紹介しましたね。
ということで続き、「ピヴォット」の解説から入って行こうと思います。
(2)ピヴォット
さぁ、またまた知らない単語が出てきました。
フットサルを知らない人には本当に読むのが大変なブログになっていて申し訳ありません。
過去記事で既出のものは省略していますが、一応ある程度は分かりやすく解説しているつもりです。
ただ、やっぱりどうしても癖で当たり前のように用語を使いがち...。
さて、ピヴォットという文字を見るとフットサルを知ってる方はピヴォという単語が思い浮かんだと思います。
ピヴォってのはサッカーでいうFWのことでしたね。
はい、このピヴォットのピヴォはまさしくピヴォのピヴォでございます。
ピヴォピヴォうっさいですね(笑)。
では、具体的な動きについて見ていきましょう。
考え方としては実はフィンタとかなり似ています。
まずスタート位置はフィクソのことが多いです。
今回は分かりやすいようにクワトロの状態を仮定します。
ここから前提として裏を狙いに行きます。
ちなみに、サイドで裏を取ると「バ」でしたが中央で裏を取れた時は「中央パラレラ」と個人的には呼んでいます。
まぁ、これに関してはまた紹介しますのであまり気にしないでください(笑)。
で、このベクトルを縦に向けた状態では相手もついてくるんでしたね。
そこでフィンタ同様、相手のベクトルの逆を取るわけですがフィンタとの違いは走る距離にあります。
フィクソのフィンタの場合はこのようになります。
一方でピヴォットはこうです。
結果的に受ける位置が違うので私はこれらを別個の戦術として捉えています。
そしてピヴォットはピヴォの位置で受けるからピヴォット。
どうでしょうか?
理解できましたでしょうか?
このピヴォットを行うともちろんピヴォ当てを行った時と同じ状況ですから(というかピヴォットはピヴォ当ての一種)相手のマークは激しくボールに寄せてきます。
そのためピヴォットを行う選手はピヴォでのプレーが得意なことが多いです。
このピヴォット自体は割とレアなので試合で観れればラッキーですが、有用性の高い戦術だと個人的には思っているのです是非頭の中に入れておいてください!
※ピヴォットは私が勝手につけているネーミングで、本来のピヴォットはこのプレーのことを指さない可能性がありますがご了承ください(>人<;)
参考動画
(3)ジャグナウ
皆さん、少しは馴染みが出てきたのではないでしょうか?
3回目くらいの登場な気がします、ジャグナウさんです。
分かっている方も多いとは思いますが、今一度ジャグナウの動きを図に表しておきます。
さて、このジャグナウも動きとしてはベクトルの変化を利用しています。(多くの場合)
先程の図で何となく分かっているとは思いますが、一応解説しますね(笑)。
フィンタ、ピヴォット同様まずは自分のベクトルを縦に向けます。
そのままフリーランを行うことで相手もベクトルを合わせてついてきます。
ここで、ベクトルを急激に変えます。
この変化が今までとは異なるんですね。
つまり、今まではベクトルを180度の変化としていましたが、これを90度近くに変えます。
考えれば当たり前なのですが、角度が浅ければ浅いほどパスカットをされる確率というのは高まります。
なので上手い選手というのはベクトル間の角度をしっかりと作っていきます。
本当に上手い選手はしっかりと180度近く変えてきます。
ジャグナウで180度なんてどうやって作るのかという話ですが仕組みはいたってシンプルです。
ベクトルは基本縦向きですが、ジャグナウの折れる直前にこのベクトルを横に向けます。
そこから一気にベクトルを逆向きにするのです。
理論的にはしっかりと180度方向転換できていますね。
とは言ってもその駆け引きは本当に一瞬のことですから、なかなか分かりにくいかと思います(笑)。
是非ジャグナウにおけるベクトルの駆け引きにも注目してみてください。
参考動画
いかがだったでしょうか?
フィンタとピヴォット、ピヴォットとジャグナウ。
全く違うように思えますが、思わぬ共通点があったかと思います。
このようにオフザボールにおける駆け引きを楽しみながらフットサルを観るのも良いのではないでしょうか。
次回は残りの(4)ケブラについて解説します。
是非お付き合いください〜!٩( 'ω' )و