美しさの源 ~渦~(1)
私が競技フットサルと出会ったのは大学に入学してからのことです。
中高生時代はサッカーが好き(ただしプレーに関しては皆無)な人間ではありましたが、フットサルに関してはその存在自体は知っていたものの正直どのようなスポーツかは知りませんでした。
正確には知っているつもりでした。
足元の技術がある人がボールをコネコネして個人技で抜き去る、一種の雑技団の披露会のような。
はたまたサッカーではトップレベルではやっていけない大人たちが集まって半分余興のような形でゲームを繰り広げているような。
そこに戦術なんてものが存在するなんて思ってもいませんでした。
高校生の時には週に一度、放課後になると公園にクラスメイトで集まって日が暮れるまでフットサル(のようなもの)をしていました。
受験勉強や俳句(部活動でやっていた)から離れて身体を動かすことのできる自分にとってとても貴重な楽しみだったと思います。
大学に入ると当然のようにフットサルサークルに入りました。
もうちょっと別のサークルも見ておけば良かったなと思うことも少しはありますが、今のサークルに入れて良かったなと本当に思っています。
関係ない自分の話ばかりになってしまってすみません(>_<)
もう少し続くので面倒な人は飛ばしてください。
今のサークルは初心者や経験者が入り混じってボールを蹴るのですが、初心者の割合が高くてそんなに強いチームではありません。
自分もその中でまぁある程度楽しくボールを蹴っていましたが、まぁ運動神経が悪い。
インステップキックなんてろくに蹴れたもんじゃありません。
試合で活躍なんてもちろんできやしませんし、日々の活動ですらあまりにミスがひどすぎて自分でもため息が出るほどでした。
まぁ、そこで頭のおかしい私はあることを思いつきます。
「技術がダメなら戦術だ!」
その当時、私はサークルの先輩に少しフットサルの戦術について教えていただいてました。
この戦術に光明を自分なりに見出したのですね。
そうとなっては行動あるのみです。
Youtubeに上がっている解説動画を漁り始めます。
しかし、これが全然良いものが無い!
当たり前です。コンテンツとしてそこまで成熟していないフットサルについての、戦術などという少し玄人じみたことを解説する動画なんかが無料で手に入る訳がないのですね。
仕方なくフットサルの試合の動画を観ようと検索をかけました。
衝撃を受けました。
それまでのフットサルへの先入観が全て消え去ってしまいました。
そこには想像していたものとは別の魅力がありました。
もともと私はバルサのパスサッカーがかなり好きでした。
一種の美しさを感じていただと思います。
ダイレクトパスが何本も続いて瞬く間にメッシがラインの裏にするっと抜け出す。
そのような瞬間に鳥肌を覚えた人は少なくないと思います。
それと似た系統の美しさを感じました。
そこに華麗な足技はほとんど存在していませんでした。
ボールが動き、人が動き、スペースを創り、そして埋める。
一度も途切れずシュートまでたどり着いた時にはまれで芸術作品を見ているかのような感覚に陥りました。
何度も絵画を眺めるかのように同じシーンを何度も繰り返し再生しました。
気が付けば、私はフットサルの虜になっていました。
こう言うとかなり大げさですが、あながち間違いではないと思います(笑)。
そのフットサルの美しさの素となっていたもの、それは「渦」なのではないかと思います。
(長くなったので次から詳しく話していこうと思います)