観るフットサル

フットサルに関して、戦術等を通してその魅力を書き連ねていくだけのブログです。

その時、何故彼らは抜けたのか (2)

こんにちは~。

グロッケンです!(謎の自己紹介)

最近いつも思うのですが、私に質問をくださるのは非常にありがたいのですが質問する相手間違えてないか?って言う(笑)。

巷には在原さんやれうすさんやその他諸々私よりフットサルを分かっている方が質問箱を設けていますから、是非そちらの方々にも聞いてみてくださいね。

私は本当に趣味でフットサルの動画をたくさん見てるだけの大学生ですから。

もちろん、ちゃんと全力で答えているつもりではありますがやはりプレーの経験の浅さなど色々と駄目な点もございますので。

まぁ、何人かに同じ質問をしてその回答の違いを見比べるなんてことをしてみても良いかもしれませんね~。

 

 

さて、「抜ける」ことについての考察記事第2弾でございます。

今回も具体的な状況を見て行こうと思いますが、前回紹介した3原則を皆さん覚えていますでしょうか?

①ボールホルダーへのプレッシャーの弱さ

②スペースの存在

③1個飛ばしのパスコースの確保

でしたね。

これらを念頭にまた色々と見て行きましょう~。

因みにこの3原則は私が適当に思いつくまま書いただけなので、別に通説がその3つというわけではありませんからご理解の程を。

 

(3)ダイヤモンドのアラのサイ


定位置(ダイヤモンド、フィンタ、サイ、1個飛ばし、サイ、1個飛ばし)

 

この動画では2回のサイが行われています。

まず、1回目は次のように自分の前に偽ピヴォがいることを確認してから行われています。

これは③の1個飛ばしのパスコースを確認したことに等しいです。

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また、同時にもとの形がダイヤモンドであることを知っているこのアラの選手はもともとピヴォがいた中央にスペースがあることも確認したことになります。

これが②のスペースの確認ですね。

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それを確認するとアラの選手はフィクソの選手へパスを戻します。

ここで相手のピヴォがそこまで食いついきていないのが分かりますね。

①も満たされています。

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したがってこのアラはサイを選択します。

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ここで1個飛ばしが行われます。

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実はこのとき既に2回目のサイの動きの布石が打たれています。

1個飛ばしの後ディフェンスは次のようにマークチェンジを行いました。

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したがってサイを行った選手がフリーの状況になっていることが分かるかと思います。

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そのままこの選手はサポートに近い形で再び元のサイドレーンへと流れてきます。

これが③の1個飛ばしのパスコースの予測につながります。

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これを確認したボールホルダーは再びフィクソへボールを戻し①のボールホルダーの状態を確認してサイを選択します。

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今度はディフェンスはマークをずらさずにそのままついていったため、次のように1個飛ばしのパスによりフリーでボールを受けることができました。

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定位置(ダイヤモンド、エイト、カーテン、サイ、2枚抜け、1個飛ばし、バックカット、カットイン、ミドルシュート)

 

この場面は割と珍しいシーンになるかなと思います。

まず、システムとしては次のようなダイヤモンドがスタートになっています。

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ここからエイトのような形でフィクソがアラに対してカーテンのサポートを行います。

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ここでエイトならばこのアラが残って1個飛ばし用のパスコースを確保するのですが、ここではアラは抜けることを選択しています。

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そんなことをしたらパスコースがなくなって危ないじゃないかと思われるかもしれませんが、今回このアラがサイを行ったときにはしっかりとリスク管理もできた状態だったと思われます。

一番大事な要素である①のボールホルダーの状態ですが、次のようにフリーであることが確認できるかと思います。

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また、ここでボールホルダーに対してプレッシャーが強くても実は①の条件は満たされていると判断する場合があります。

その理由は相手ディフェンスが「フロート」という守備戦術を取っているからです。

フロートに関してはまた詳しく述べることがあるかと思いますが、簡単に言えば次のように少しリスク管理をするようにボールから離れた位置を取ることを指します。

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これによって実はカーテンのアクションを行った場所で2対1の数的有利が存在することが分かるかと思います。

したがってここで単発の激しいプレッシャーが来てもボールホルダーが危ないという判断には至らないこともあります。

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さて、①は良いとして次は②のスペースの存在と③の1個飛ばしパスコースの確保ですね。

実はこれらは同時に満たされることが確認できます。

それはピヴォの位置ですね。

ピヴォが次のようにサイドへはける姿が確認できるかと思います。

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これは中央付近にスペースを生むことに加えて1個飛ばしのパスコースも創出する動きになります。

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したがってアラの選手はサイを行うという判断を行いました。

(ただ、解釈としてはアラがサイを行ったのでピヴォがサイドへ降りてきたと考えることも可能)

 

ここで、アラの選手は相手ディフェンスの背中側を通るようにサイを行っていることが分かるかと思います。

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相手のアラは一瞬マークチェンジを図ろうとしますが、慌てて自分のマークを後ろから追いました。

背中を抜けたもともとの自分のマークがフリーになったかもしれないと思ったのでしょうね。

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相手のフィクソはマークを受け渡すつもりだったので、サイドに流れたピヴォの選手はフリーでボールを受けることに成功します。

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サイの効果がはっきり表れたシーンかなと思います。

余談ですが、1個飛ばしのパスを出した選手はパラレラを狙うような動きをします。

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これは自分のマークが少し食いつき気味だったので、上手くいけば振り切れると考えたのでしょうね。

また、ボールホルダーがフリーに近い状態であることを確認してケブラパラレラを行っていることも分かるかと思います。

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これは結果的にパラレラにはつながりませんでしたが、抜けるというアクションとしてはかなり良い決断だったかなと思います。

 

 

 

 

 

 

ということで今回は以上となります。

いかがだったでしょうか?

是非実際のプレーに役立てていただければなと思います。

次はクワトロについて見て行こうかなと思います。

もうしばしお付き合いを!

 

(最近忙しいのでブログの方は更新が不定期になってしまいますが、ご了承ください。

あと、エントレリネアスのまとめ動画も頑張って作っているのでもう少し待ってください~。

そんなすごいのを作っているわけではないのですが、いかんせん色々と忙しい・・・。)