チーム分析「バルセロナ」①
こんにちは〜。
めちゃくちゃ更新さぼってました、すみません(笑)。
個人的には大学の試験も終わり夏休みに突入したので、またちょこちょこ更新できそうです。
ここ最近で高校生の全日本フットサル選手権があるのはご存知ですか?
色々なチームカラーがあって見ていて非常に面白いですよ。
サッカーチームの足元のテクニックやカウンターの鋭さは見ていて本当に驚かされます。
日本のフットサル界が若い力でどんどん盛り上がっていくと良いですね!
さてさて今回はチーム分析第2弾、バルセロナ編です。
バルセロナといえばサッカーが非常に有名ですが、このクラブチームは他にもバスケ、ハンドボールなどのスポーツでも活躍しています。
どのスポーツも結構強いらしいですよ。
サッカーではメッシやイニエスタ(退団しちゃいましたが)といったスーパースターを中心にティキタカとも言われるパスサッカーを展開していますが、フットサルの方はどうなんでしょうか〜?
是非フットサルに興味のない人もちらっと見ていってくださいねー。
(1)チーム紹介
言わずとしれたFCバルセロナのフットサルチームです。
ユニフォームもしっかりサッカーの方と連動しています。
昔はインテルとエルポソの2強だったらいしのですが、そこに割り込み三国時代を作り上げたのがこのバルセロナらしいです。
さすが経営陣がしっかりしてるだけはありますね。
今シーズンのリーグ戦の成績はインテルモビスターに次ぐ2位でした。
インテルに引けを取らない豊富なタレントによる攻撃力が持ち味で、得点数はリーグトップです。
現在、このバルセロナの監督を務めているのがアンドレウ・プラサ監督。
どのような実績をお持ちの方かあまり知らないのですが、バルセロナのBチームから内部昇格の形でトップチームの監督になったようです。
私の印象としてはタレントの特徴を把握し、それが上手く噛み合うようにチームを作るのが上手いなと感じます。
今シーズンもインテルを後一歩まで追い詰めるなど、優秀な監督であることには間違いなさそうです。
(2)オフェンス編
では、ここから具体的なバルセロナの戦術に踏み込んでいこうと思います。
例によって最初は攻撃からです。
バルサのオフェンスと聞くと、どうしてもサッカーのイメージが強くて「パスサッカー」と考えてしまう人が多いかと思います。
しかし実際のところはむしろレアルに近いんじゃないかなと思うような、タレントの力を存分に引き出そうとするオフェンスが特徴かと思います。
前に倣ってシステムから順々に見ていきましょう。
①システム
システム、つまりフォーメーションです。
バルサは基本的に3つのフォーメーションを使い分けます。
1つ目は純粋なダイヤモンド。
2つ目は偽ピヴォダイヤモンド。
そしてクワトロです。
インテルと同様にこれらは特定の選手が出ているかどうかで変わってきます。
それは具体的に各フォーメーションの項で見ていくことにしましょう。
とにかく、バルサの強みはこの複数のシステムを持つことでゲームに応じて臨機応変に対応できることになります。
多くのタレントを抱えるバルセロナならではの強みと言えるでしょう。
②ダイヤモンド
最初はダイヤモンドです。
ダイヤモンドというのはピヴォ当てを中心に攻撃を組み立てていくので、このピヴォを務められる選手がいるかどうかが非常に大切です。
そして、バルセロナにはフェラオという怪物ピヴォがいるのです。
このフェラオは2017-2018シーズンの最優秀ピヴォに選ばれるほど、卓越した力を持つブラジル人ピヴォです。
世界的に見てもトップレベルのピヴォであることは間違いありません。
フェラオの特徴は何といってもその強烈な反転シュートでしょう。
フェラオの反転シュートを集めたこちらの動画をご覧ください。(ピヴォ当ての記事でも紹介したことがあるかと思いますが)
どうでしょうか?
少しでも隙を与えると一気にフィニッシュまで持っていくという意味で本当に危険なピヴォなわけです。
このフェラオが反転するための時間・スペースを作るために後ろの3枚はフラットに近い形を維持することが多いです。
一種のアイソレーションに近いですね。
逆に言えばフェラオは背負った形での1対1にめちゃくちゃ強いというわけです。
本当にこのフェラオには多くのチームが手を焼いています。
フェラオにボールを預けた後の崩しのパターンというものも恐らくバルサの中で決まり事として何個かあるでしょう。
そのうちの1つを紹介しようと思います。
左サイドでのオーバーラップ
これはフェラオの利き足を考慮した崩しのパターンとなります。
フェラオは右利きなので左サイドでボールを受けた際、次のように内側へ反転してシュートを打つことを好みます。(もちろん左足でも強いシュートを打てるのですが)
したがって相手のフィクソば次のように内側への反転を強く警戒します。
これを利用してアラの選手がオーバーラップを仕掛けます。
相手のアラの選手もそれについていこうとしますが、このオーバーラップに関しては攻撃側の方が位置的に優位に立っています。
かと言ってここでフィクソへとマークをチェンジしようとすると、フェラオがフリーになってしまいえげつないシュートを打たれてしまうことになります。
まさにディフェンスにとってはどうしようもない状況が作り出されてしまうわけです(笑)。
このオーバーラップは頻繁に見られますので是非注目してみてください。
参考動画
プレス回避(ダイヤモンド、フィクソのフィンタ、アラの落とし、ダイレクトパス、ピヴォ当て、3人目の動き、オーバーラップ、1対1、ゴール)
③偽ピヴォダイヤモンド
続いて紹介するのが偽ピヴォダイヤモンドです。
こちらもフェラオと同様、前線の偽ピヴォを務める選手が大きな役割を担っています。
このエスケルジーニャはフェラオほど反転シュートが上手いわけではありませんが、ボールを貰うまでの駆け引きとしっかりとボールをキープして味方を使うのが上手い選手です。
彼は左利きなので右サイドの偽ピヴォを任されています。
エスケルジーニャはフェラオに比べるとフィニッシュまでのパターンには工夫があります。
シンプルな例を一つ挙げましょう。
プエルタアトラス
用語だけ言われてもパッとしませんね。
これはバックドアとも呼ばれたりします。
多分バスケなんかをやってた人はこのバックドアという言葉で何となくイメージが掴めたかもしれません。
図にすると分かりやいですが、要は次のようにディフェンスの逆を突くようにスペースへ走り込むことを言います。(と自分で勝手に定義しています)
正確なプエルタアトラスっていうのは、恐らく色んな意味があるとは思いますが私は図で述べたような偽ピヴォがふっとスペースに現れることを指してこの用語を使用しています。
そしてエスケルジーニャはこのプエルタアトラスからチャンスを演出するのが上手いと個人的には思っています。
参考動画
定位置(偽ピヴォ、ピサーダ、プエルタアトラス、バックターン、1対1、面)
④クワトロ
これまでフェラオやエスケルジーニャといったピヴォを活用したシステムについて見てきましたが、バルサはこれらに加えてクワトロというピヴォを置かないシステムも使用します。
形としては次のようになります。
このクワトロはこれまで見てきたシステムと比較して突出したピヴォが必要でないという側面があります。
ただ一方で4人全員にそれなりのスキルとインテリジェンスが求められるため、要求される難易度というのは高くなってきます。
実際試合中にクワトロのセット(試合中に一緒出てくる4人をまとめてセットと呼ぶ)に入る選手は、それなりのスピードと判断力と技術を持ち合わせています。
クワトロで活躍するのには色んな選手がいますが、今回は私がガチでリスペクトしているマルク・トルラという選手を紹介しようと思います。(なお、今シーズン限りで退団(ToT))
この選手の特徴は何と言っても判断力だと思います。
正直主観がバリバリ入っています(笑)。
まあスペイン代表でもフィクソを務めていますし、実力は本物でしょう。
スペインの誇るオルティスとトルラの2枚看板と勝手に言っています(笑)。
加えて彼のパスセンスは本当に恐ろしいです。
柔らかいタッチで多種多様な高精度のパスを出します。
これは本当に大切なことで、クワトロはパス回しをするだけで点の匂いがしないということがよくあるんですが、このトルラはどこで狙えば良いか分かっているので気がついたら一気にゴールに直結するようなパスを送り出します。
バルサのクワトロの心臓は彼だと言っても過言ではありません!(完全なる偏見です!)
彼が得意とするプレーの1つにパラレラがあります。
彼の場合スペースの感知力がえぐいので、本当に綺麗なパラレラをします。
また、ケブラパラレラと私が勝手に呼んでいる進行方向に変化をつけたパラレラをするなど相手との駆け引きも本当にすごいです。
是非バルサ試合を観るときはこのトルラ(4番)に注目してみてください!(来期はどのチームに行くんでしょうか...)
バルサのクワトロの攻撃に関してはインテル編を見ていただければ、それと被っている内容が多いので十分かと思います。
比較的バルセロナはアイソレーションに移行することが多いように感じます。
同じクワトロでもチームによってカラーがあるのでそれを踏まえた見てみると面白いですよ。
インテル編でも出てきましたが、バルサでもこのアイソレーションは1つの大きな戦術と考えることができます。
その中でもバルサを代表するアイソレーラー(造語笑)がいるので紹介します。
ディエゴ
1人目はブラジル人アラのディエゴです。
彼は左サイドの写真のような位置でのアイソレーションを好みます。
ディエゴのアイソレーションの特徴は何と言っても細かいタッチ。
カンビオデベロシタードという緩急を使って相手を抜く技術がありますが、まさにディエゴはリズムを一気に変えることで相手を一瞬で抜き去ります。
そしてその普段のリズムが速いこと速いこと。
普通の選手がタンタンタンタンくらいだとしたら、ディエゴの場合はタタタタタタタ。
相手からしたらいつこのリズムや方向が変わるか分からず、凄まじい集中力が必要です。
今から言うことは誇張でも何でもありません。
「ディエゴが1対1に負けたことを見たことがない」
いや、やっぱちょっと誇張したかもしれません(笑)。
でも本当にそれくらいディエゴはアイソレーションの状態ではほぼ無敵です。
ドリブルで抜けずに味方にパスすることはあっても、ボールをかっさらわれるなんてことは本当に0に近いです。
しかもシュート力もえげついと来たので相手は困ったもの。
誰か1対1の勝率を計算してほしいですね(笑)。
参考動画
アイソレーション(アラ、カンビオデベロシタード、カットイン、ミドルシュート、ゴール、ジエゴ)
ホセリート
2人目はレフティーのスペイン人、ホセリートです。
彼はフットサルの選手の中でも小柄で、俊敏性を売りにしています。
とても小さいので何回か見ていると顔を見なくてもホセリートと分かります(笑)。
彼は左利きなので右サイドでのドリブルを好みます。
縦にも中にも行けますが、特に縦へのスピードが異常です。
一瞬で相手を置き去りにしてしまうので、ディフェンスとしては間合いを取らざるを得なくなりなかなかホセリートからボールを奪えません。
是非バルサの試合を観るときはホセリートのスピード感を体感してみてください(笑)。
参考動画
定位置(ダイヤモンド、アイソレーション、カンビオデベロシタード、アラアラ、カンビオデベロシタード、縦突破、トゥネル)
ということでオフェンス編は以上となります。
いかがだったでしょうか?
バルセロナに関しては少しインテルに比べてざっくりした解説になってしまったかもしれません。
また機会があれば細かい話もできればと思います。
正直この記事の中で間違えていることもかなりあるかと思います。
そのような時は、「あーこいつわかってへんわー」と寛大に受け止めていただければと思います。
取り敢えず次回はディフェンス編から入って行きますので、興味のある人は次回もどうぞよろしくお願いします。m(__)m
チーム分析「インテル・モビスター」②
どうも〜、ご無沙汰しております。
フットサルのスペインリーグは2017ー2018シーズンを終了してオフの期間に入っているのですが、これを見計らって当シーズンのハイライト動画全部見よう計画を実行しています。
最新のものから順番に見ていっているのですが、色々と作業しながらなのでなかなか進みません(泣)。
前から言っておりますが、一緒に作業をしてくれる方を募集しているので是非興味のある方はお声がけください。
遠方の方でも全然大丈夫ですので。
作業というのは具体的には動画を保存、編集ソフトを使ってコマ切れにしてそれぞれに起きた現象をタグ付けしていくというものです。
やってると意外と楽しいかもですよ〜(笑)。
さて、インテルモビスターのチーム分析の続きに入っていこうと思います。
前回まではざっくりとしたチームの紹介とオフェンスについて見てきました。
今回はまずディフェンスについて注目していこうと思います。
(2)ディフェンス編
ということディフェンスについて見ていこうと思うのですが、改めて考えて観るとディフェンスってなかなか分析しづらいなと思いました。
何せ相手ありきなのでチームの狙いというのがオフェンスに比べて見えづらい。
その中でも頑張って絞り出して行きたいなと思います。
こちらもトピック形式でいきます。
①プレスライン
基本的にインテルはハイプレスを徹底しています。
ボールを奪われたら即座回収。
これが大きな理念としてあるように思います。
恐らくスペインリーグの中でも最もアグレッシブなディフェンス網を敷いているのではないでしょうか。
このディフェンスの網をかいくぐって得点するのは非常に困難で、実際インテルは失点の少なさについてリーグトップです。
②プレスの仕組み
では一体どのような形でインテルはプレスをかけていくのでしょうか?
細かい部分を正確に見ていくのは非常に難しいのですが、私は基本的にゾーンディフェンスが主体のコンビネーションディフェンスを取り入れていると思います。
コンビネーションディフェンスというのはゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスを併用するディフェンススタイルのことです。
基本的には次のような原則にのっとっていると思います。(これは割と常識レベルの話?らしいです)
ボールホルダーにプレスがかかっていないとき
この場合、基本的にディフェンスはマンツーマンとなります。
理由としてはボールホルダーにプレスがあまりかかっていない状態で受け渡しを行うと、次のようにライン間を使う(エントレリネアス)ことができてしまうからです。
ボールホルダーにプレスがかかっているとき
もうお分かりかとは思いますが、逆にプレスがしっかりとかかっている場合は次のように受け渡しを行います。
このマークの受け渡しを行うことによってプレスの強度をしっかり保つことができます。
この受け渡しを行い詰まってしまった相手が苦し紛れに出したパスをインターセプトしてショートカウンターに繋げるというシーンはときたま見かけることができます。
③前衛・後衛
実際の試合でのディフェンスは基本的に相手ありきなので、常に同じことをするわけにはいきません。
その中でディフェンスをする選手にもざっくりと前衛(前からプレスをかけてボールを奪いに行く選手)と後衛(後方からカバーリングなどでディフェンス陣を支える)に分けることができると考えられます。
インテルのそれぞれを代表する選手を紹介しましょう。
ポラ(前衛)
スペイン人のアラの選手です。
インテリジェンスと献身性が高く、オフェンス・ディフェンス共に高い評価を得ています。
ディフェンスの良さが分かるシーンというのはあまりないのですが、パスをカットしてチャンスを演出した場面を載せておきます。
トランジション(インターセプト、ショートカウンター、1対1、舐めシュート、面、ファインセーブ、ロングスロー、1対1、セダーノ)
オルティス(後衛)
チームのキャプテンを務める絶対的なフィクソです。
状況判断能力はさることながら、球際の強さやポジショニングのバランス感覚など非常に優れたディフェンス能力を持っています。
守備だけではなく、攻撃でもパス回しの組み立てや時には自らもフィニッシュに絡むなど貢献度が高いです。
インテルを底の位置から支える大黒柱と言っても過言ではないでしょう。
ハーフプレス(対クワトロ、カーテン、インターセプト、ショートカウンター、ミドルシュート)
④フロート
ハイプレスというのは普通にかけるだけでは上手く回避されてしまった場合に一気にピンチに陥ります。
そのため、インテルはリスクを管理しながら効率良くボール回収を図ります。
そのためのキーワードとなるのが「フロート」です。
フロートに関してはそれだけで記事が書ける立派な守備戦術になってきます。
さすがに全ては書けないので簡単に説明しておきます。
フロートというのは「浮く」という意味です。
サッカーをやっている人はなんとなく分かったかもしれませんが、自分のマークの所在がなくなることを示します。
それだけ聞くとあまり良いことのようには思えませんが、要は意図的に自分のマークを捨ててスペースを管理することでリスクを減らしているのです。
このフロートの活用例を見てみましょう。
クリアランス(クワトロ、1個飛ばし、3人旋回、エントレリネアス、フロート、囲い込み、横ワンツー、クリア)
この場面は基本的にマンツーマンで進んでいきます。
フロートが行われるのはこの瞬間です。
ライン間で相手選手がボールを受けたときに、もともとそのマークについていたべべ選手はフロート、つまりこのスペースの管理を選択します。
因みにインテルはエントレリネアスに対してはフロートを使うことが非常に多く、恐らくチームとしてデザインされていると思います。
べべ選手がフロートしたため、ボールホルダーに対してのマークがチェンジし、このようにプレスバック(後ろから追うようにプレスをかけること)という形でボールホルダーに迫ります。
この間にサイドの選手が裏を狙おうとするのですが、結果的にスペースを管理していたべべ選手がこのボールをカットしてピンチを防いでいます。
この一連の流れを見ていただいただけでは分からないかと思いますが、このようにフロートを使うことでリスクを減らしながらボールを奪おうとする場面が試合中に散見されます。
⑤牙を剥く瞬間
何だか大層な名前になっていますが、要は「取り所」などと言われる話です。
基本的にディフェンスしている側は受動的に相手のディフェンスに対応するのですが、ある場面になると敢えて能動的に動くことによって相手のミスを誘うことがあります。
インテルも試合を観ているとうっすらとその狙いというものが見えてきますので、2個ほど紹介しようかと思います。
エントレリネアスへの囲い込み
これは先程のフロートの項でも少し触れたのですが、相手がライン間を使って来たときはインテル側から仕掛けてボールを奪おうとします。
具体的に見ていきましょう。
まず、ライン間をこのように使われたとします。
このとき、ボールホルダーをもともとマークしていた選手はライン間から裏へのパスコースをケアするような位置どりをします。(主にワンツーへの対処が多くなります)
そして、ボールホルダーに対しては前線の2人が一気に潰しにいきます。
結果的にパスコースがなければ相手選手は囲い込まれる形となりボールを失うことになります。
このエントレリネアスに対する囲い込みは本当に殺しに行くかのような勢いで行われます。
ライン間で潰すことの大切を知っているからこその勢いなのでしょう。
参考動画
サイドでのダブルチーム
次に紹介するのはサイドライン付近で行われるダブルチームです。
ダブルチームというのはボールホルダーに対して2人がかりでボールを奪いに行くことです。
インテルは時折アラへの横パスに対してこのダブルチームを仕掛けることがあります。
また、リスク管理のために後ろ側の選手がフロートすることがあります。
この場合、前の選手はサイドへ追いやるようにプレスをかけて局所的な数的優位を作り出します。
自分なりにどのような状況でこのダブルチームが選択されるのか、何か共通点がないか探ろうとしましたがあまりよく分かりませんでした。
ほとんど選手達の判断に任せられているのかなと思います。
参考動画
この動画では正確にはダブルチームではなく、フロートによるリスク管理が行われています。
ハイプレス(対ダイヤモンド、ジャンプ、ダブルチーム、ゴレイロアッタク、インターセプト)
(4)セットプレー
最後にセットプレーについて分析していこうと思います。
セットプレーに関してはパターンがたくさんあり、なかなか断定した分析を行うのは難しいですが推測の範囲内で頑張って分析してみようと思います。
是非、チームを率いている指導者なんかは参考にしてみてください。
※めっちゃコアな内容の上に無駄に長いので興味の無い人が読むのは辞めとくのが無難かと(笑)
主要な初期配置ごとに分類して、どのような動きと狙いがあるのそれぞれ解説していこうと思います。
デフォルトタイプ
最初に紹介するのは次のような形で選手が配置についているときです。
何でこれをデフォルトタイプという名前で呼んでいるかと言いますと、基本的にセットプレーの際はキッカー・シューター・ファー詰め・後ろのカバーという役割をそれぞれが持つことが多く、この形はそれが最初からしっかりと明確化してるわけです。
なのでこれをデフォルトタイプと勝手に呼んでいます。
ここからどのような展開があるか見ていきます。
1つは次のように直接シュートを狙いに行く形です。
もう1つは次のようにブロックをかけてボレーシュートを狙います。
これに相手が対応してきた場合はブロックをかけた選手がファーサイドでフリーになるのでそこでボールを受けることができます。
基本的にはこのような狙いが存在してると思います。
参考動画
コーナーキック(ブロック、ボレーシュート、ファインセーブ、こぼれ球、ミドルシュート)
逆トライアングル
次に見ていくのは逆トライアングル、つまり次のような配置です。
ここから相手の出方によって狙いが変わってきます。
青3番の選手がどうするかがポイントです。
この選手がマンツーマンに近い形でついてきているとき、狙いとしてはここの2人がクロスする形でフリーでボールを受けようとします。
逆にこの選手がゾーンで壁を作る形で守っている場合。
1つはこのままダイレクトでミドルシュートというのがあります。
また、次のように2枚のブロックをかけることでボレーシュートを狙うこともあります。
参考動画
コーナーキック(ミドルシュート、ダイレクトシュート、ファインセーブ、リカルジーニョ、セダーノ)
トライアングルの旋回
次に見るのは三角形がある方向に旋回していく形です。
三角形の形は厳密には決まっていないのか分かりませんが、次のような微妙な状態になっていることが多いです。
ここから一気に反時計回りに回っていきます。
狙いとしてはファー詰め。
ダイレクトのシュート。
そしてミドルシュート。
これらを相手ディフェンスの状態を見ながら選ぶ形になっているように思います。
参考動画
コーナーキック(トライアングル、間接ブロック、ミドルシュート、ダイレクトシュート、ゴール、ガディア)
ボックスアイソレーション
これは初期配置はデフォルトタイプに似ているのですが、ここから一度ボールをサイドの選手に渡します。
そして、そのボールを逆サイドに振りアイソレーションを図ります。
この間にゴール近くでは次のような動きがあります。
そしてここからパラレラとフラッシュの動きによりボールホルダーに選択肢を与えます。
参考動画
コーナーキック(フィクソのコントロールオリエンタード、アイソレーション、アラ、カットイン、ピヴォ当て、反転シュート)
ディアゴナルライン
ディアゴナルというのは斜めという意味です。
つまり、次のような斜めに一直線になったような配置を意味します。
ここから次のように順番にスペースを狙っていきます。
キッカーがその動きに対して空いたところを狙うという形を取っています。
こちらもトライアングルの旋回と同じくキッカーの判断が大きいサインプレーとなっているように思います。
参考動画
斜めにはなっていませんが動きとしては同じです。
コーナーキック(オリゾンタルライン、ブロック&コンテニュー)
②キックイン
次は高い位置でのキックインです。
チョンドン
言わずとしれたチョンドンです。
チョンドンを知らない人はググってください(笑)。
チョンドン自体は有名なので説明を省きますが、インテルは普通のチョンドンに加えて次のようなオプションを用意しています。
ここから抜けた選手が空けば浮き玉でボレーシュート。
空かなければ偽ピヴォに当てるかフィクソに戻します。
このようにオプションを用意しておくことで、単なるチョンドンでも相手に簡単には的を絞らせないよう工夫しています。
参考動画
ハイキックイン(チョンドンの形、偽ピヴォ当て、内側ターン、反転シュート、ミドルシュート、エルサンドロ)
トライアングルの旋回
コーナーキックでも見ましたが、キックインでもトライアングルの旋回が見られます。
説明は省きますが、次のような渦を巻く形で動くんでしたね。
参考動画
ハイキックイン(逆トライアングル、フリックシュート、こぼれ球、ファインセーブ、フンベルト、セダーノ)
逆トライアングル
インテルのキックインの鉄板と言えば逆トライアングルです。(勝手に自分がそう思ってるだけかもしれません(笑))
次のような状態でスタートします。
ここからファーサイドのいる選手がボールサイドの偽ピヴォの位置に入ります。
ここでニア側の選手が後方の選手のマーカーへブロックをかけに行きます。
ここからは相手の対応次第なのですが、もしこのブロックに対応できていない場合は次のようにミドルシュートを打つことが多いです。
これに対して次のようにマークを入れ替えるという対応をしてきた場合、ブロックを外して一気にファーを狙います。
ちなみにこれを「ブロック&コンテニュー」なんて呼んだりします。
他にも色々とオプションは存在しますが、基本はこのような動きになってきます。
リカルジーニョ特製オーバーヘッド
何だかへんてこりんな名前が出てきましたね(笑)。
これは今シーズン何故かインテルで流行ってたやつです。
仕組みはいたって単純で次のようにファーポスト付近にいるリカルジーニョへ直接ループ気味のパスを送り、それをオーバーヘッドするのです。
結局シーズン中に決まることはなかった気がしますが、意外と惜しいシーンもあり1つの武器になっていたように思います(笑)。
③ゴールクリアランス
最後にゴールクリアランスについて見ていこうと思います。
ゴールクリアランスはプレス回避における大切な場面で、サインプレーを用意しているチームも多く1つのセットプレーと考えても良いと思います。
ただインテルはそこまで縛りは無いように思いますが。
偽ピヴォ
偽ピヴォの場合、基本的にがっつり来られたら偽ピヴォに当てます。
ほとんど簡単に納めてしまうので相手からしたら嫌ですね(笑)。
参考動画
クリアランス(偽ピヴォ、ロングスロー、偽ピヴォ当て、内側ターン、反転シュート、ミドルシュート、エルサンドロ9
クワトロ
クワトロの場合は偽ピヴォに比べて少し決まりごとがあります。
主に次の2つを使ってフリーの選手を作り出そうとしているように思います。
1つ目は同じレーンでの循環。
2つ目は中央レーンでのミックス。
なかなかこれを図だけで理解するのは難しいです。
興味のある人は動画で研究してみてください(笑)。
参考動画
クリアランス(クワトロ、2枚抜け、2枚抜け、カーテン、エントレリネアス)
ということで今回の記事は以上になります。
長文にご付き合いいただきありがとうございました。
1つのチームを分析するというのは難しいですね。
インテルにはきっと私には分からない決まりごと・コンセプトがまだまだ無数に存在していると思いますが、少しでもインテルというチームについての理解深まったのであれば幸いです。
次からはバルセロナ編に入っていきます。
ご期待ください。٩( 'ω' )و
チーム分析「インテル・モビスター」 ①
こんにちは〜。
ワールドカップもグループステージが続々と終わっていますが、私の応援していたアイスランド🇮🇸は敗退が決まってしまいました。(´;ω;`)
非常に残念です。
アイスランドの分も日本代表を応援しようと思うので、日本は頑張ってグループステージ突破を決めてほしいですね!
※今回の記事はいつもより長くなっていますのでご注意ください
さてさて、今回のテーマについてですが先日質問箱にこのようなものが来ていました。
[https://twitter.com/giriguro/status/1009753539860578304:embed#分かりました〜。更新めっちゃサボっちゃってますが頑張って書きます。できるかな...。ワールドカップ観戦が結構忙しい(笑)。てかブログ更新ほんまにサボりすぎでやばい...。
分かりました〜。
— グロッケン(桐灰) ※W杯中なのでうっさいです (@giriguro) 2018年6月21日
更新めっちゃサボっちゃってますが頑張って書きます。
できるかな...。
ワールドカップ観戦が結構忙しい(笑)。
てかブログ更新ほんまにサボりすぎでやばい...。 #peing #質問箱 https://t.co/JUgvqJipWc
インテル、バルサ、エルポソというのはスペインリーグの3強と呼ばれるチームのことです。
イタリアのインテルではありません(笑)。
ということで、今回から各チームの戦術、特徴というものに焦点を当ててやっていこうと思います。
残念ながら僕もめちゃくちゃ暇というわけではないのでそれぞれのチームを何十試合も観た、というわけにはいかないのですが知ってる範囲で頑張って解説していこうと思います。
スペインのフットサルとか知らねーよ、って人にもなるべく分かりやすく書こうと思うので是非お付き合いいただければ。
最初はインテル・モビスター編です。
(1)チーム紹介
インテル・モビスター。
フットサル好きなら1度くらいは名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?
現在、世界で一番強いフットサルチームとの呼び声が高いチームです。
2017ー2018シーズンも見事スペインリーグを制覇、さらに欧州王者にも輝きました。
この銀河系軍団を現在率いているのがヘスス・ベラスコ監督です。
残念ながら私はフットサルにがっつり興味を持ち出してからまだ1年ちょっとしか経っていないので詳しいことは分かりませんが、世界屈指の名将とも呼ばれているらしいです。
その名声やチームのスタイルなどを見ていてもグアルディオラに近いなぁ、と感じたりします。
数々のスター達をまとめあげタイトルをいくつも獲得するその手腕には本当に脱帽です。
いつか教えを請いたい(笑)。
(2)オフェンス編
チームの紹介はこれくらいにして具体的なチーム戦術について見ていこうと思います。
まず最初はオフェンスです。
どのような感じで紹介していくか非常に迷いますが、適当にトピックこどに紹介していく形にしようかなと思います。
専門用語が飛び交って意味が分からないっていう人は、頑張ってググってください。(すみません)
もしくはこのブログを最初から読んでいただけるとある程度の用語は頭に入ると思います。(ただの宣伝ですね(笑))
※トピックは次のようなかんじになりました。
①システム
②偽ピヴォの攻め方
③クワトロの攻め方
①システム
最初のトピックはシステムについてです。
サッカーでいうフォーメーションです。
インテルは主に「クワトロ」と「偽ピヴォダイヤモンド(以下「偽ピヴォ」)」を使用します。
偽ピヴォのシステムの場合はパスを回している間にクワトロに崩れることもたまにあります。
逆もまた然りですが、クワトロがメインの場合はその形を維持することが多いように感じます。
偽ピヴォは主に右サイドに偽ピヴォを置いた形が用いられます。
その理由としては偽ピヴォとしてプレーできる選手が左利きだからです。
それが8番ソラーノと99番エリサンドロです。
もちろん右利きのピヴォもいるにはいるのですが、怪我の関係など色々あってどちらかというと2017ー2018シーズンではこの2人が重宝されていました。(因みに2人とも移籍組です)
か
つまり、この2人のどちらかが出ている場合は偽ピヴォ。
そうでなければクワトロ。
という形を取っていました。
こうすることで攻撃のパターンが増え、相手ディフェンスの攻略がしやすくなるわけです。
②偽ピヴォの攻め方
各システムについて見ていこうと思います。
偽ピヴォシステムを支えるのは偽ピヴォです。
この偽ピヴォにボールを当てることで攻撃の起点を作っていきます。
つまり偽ピヴォの選手はボールをキープできるのはもちろんのこと、ターンしてシュートを打つというフィニッシュの役割も求められます。
この役をしっかりとこなし、相手にとって大きな脅威となったのが99番のエルサンドロ選手です。
1つ、その象徴的なシーンを紹介しましょう。
プレス回避(偽ピヴォ、偽ピヴォ当て、内側ターン、反転シュート、こぼれ球、ゴール、エルサンドロ)
彼の売りは相手の当たりに全く動じることのないフィジカルと破壊的なシュート力です。
もはやそれだけでやっています(笑)。
まあピヴォっていうのはそういうもんですね。
相手チームからするとこのエリサンドロへボールを渡してしまうと反転シュートを警戒するために中を絞ることを余儀なくされます。
こうなるとなかなかディフェンスラインを押し上げることができず、どうしても主導権がインテルへと行くわけです。
さらにエリサンドロだけでなく同じレフティーのソラーノや右足のフンベルトなど、他にも良いピヴォがおり攻撃の厚みは増します。
このように偽ピヴォへボールが渡りだすと反転に警戒しすぎて、次の動画のように上がってきた選手へのケアが遅れてしまうこともあります。
クリアランス(ロングスロー、偽ピヴォ当て、内側ターン、クロス、ミドルシュート、エルサンドロ)
ただ、他の偽ピヴォを採用しているチームに比べるとこのように偽ピヴォにボールを当てた後に別の選手が絡むことは少ないです。
理由としてはそのようにすることでカウンターのリスクを減らせること。
そしてもう1つは、逆に偽ピヴォを孤立させることでアイソレーションのような形を狙っているのだと思われます。
質の高いピヴォを抱えているからこその戦術と言えるでしょう。
③クワトロの攻め方
先ほどは偽ピヴォを紹介しましたが、インテルの代名詞とも言えるのがこの「クワトロ」です。
インテルのクワトロは芸術的と称されるされることもあるほど(私が言ってるだけですが(笑))完成されています。
クワトロに関して語りつくすことなど不可能に近いとは思うのですが、インテルのクワトロを支える主要な戦術・パターンを紹介していきましょう。
パラレラ
インテルは他のクワトロを使用するチームに比べても、このパラレラを上手く有効活用しているように感じます。
その中でも特に多いのが、次のような流れのパラレラです。
上手くプレスにはめても、逆にこのパラレラでピンチに陥る。
まさにカウンターパンチのような威力を持っていると私は考えます。
インテルのプレス回避を大きく支える戦術の1つと言えるでしょう。
参考動画
プレス回避(クワトロ、3人目の動き、フリックパス、パラレラ、1対1、シザース、舐めシュート、ゴール、ポラ)
中央パラレラ
こちらも前のパラレラと同じ効果を持つ戦術になります。
クワトロをやっているチームは基本的にこれが大きな狙いになってきます。
したがってもちろんインテルでも多く見られる戦術となってきます。
パターンとしては次のように1個飛ばしから3人目の動きという形で狙うことが多いように感じます。
参考動画
クリアランス(クワトロ、ピサーダ、サイ、1個飛ばし、3人目の動き、中央パラレラ)
ジャグナウ
クワトロの基本は2人組の関係です。
パラレラがあるということはジャグナウもあります。
パラレラ・中央パラレラ・ジャグナウをクワトロの3種の神器なんて呼んだりします。(大嘘です、今適当に考えました(笑))
まぁ、とにかくこのジャグナウもインテルのクワトロにはよく見られます。
参考動画
プレス回避(クワトロ、2枚抜け、1個飛ばし、フィクソのフィンタ、エントレリネアス、フィンタ、リターン、フィクソのずらし、ジャグナウ、サイドシュート、ガディア)
ピサーダ
インテルの非常に特徴的な戦術がこのピサーダです。
以前ブログでも紹介したことのある個人戦術ですね。
インテルはこのピサーダを使う頻度が非常に高いです。
感覚ですけどね。
このピサーダを上手く使ってハイプレスをかわしている場面も珍しくありません。
特にカーテンからのピサーダなんかは鉄板です(笑)。
ピサーダはスペースと人をある程度把握しなければいけないので難易度が高いのですが、インテルの選手たちは難なくやってのけてしまいます(笑)。
インテルの試合をたくさん見ると「あ、これピサーダのパターンかな?」なんて予想できるかもしれませんよ(笑)。
参考動画
定位置(偽ピヴォからクワトロへ、ピサーダ、3人旋回、横ブロック、フィンタ、アラコルタ、サイドチェンジ、シュートパス)
優れた選手が多く、基本的に質的優位に立っているインテルはアイソレーションを多用します。
アイソレーションについてはこちらで言及しているので興味のある人は見てみてください。
それで、インテルは主にこのアイソレーションへ次のようなパターンで移行します。
偽ピヴォの場合はこうです。
クワトロの場合がこう。
ここから突破力に自信のある選手がおのおの仕掛けていきます。
ここで代表的かつ対照的な2選手を紹介しましょう。
ガディア
利き足は右足。
チーム内最多得点を誇る規格外の点取り屋です。
とにかく点を取ります。
この選手なのですが、左サイドライン付近で行う緩急を活かしたドリブル「カンビオデベロシタード」を好みます。
この場合縦に突破することが多く、左足のシュートにも自信があることがうかがえますね。
参考動画
定位置(偽ピヴォ、偽ピヴォ当て、アイソレーション、縦突破、サイドシュート、ガディア)
利き足は左足。
フットサル界では誰もが知っているスーパースターです。
華麗な足技だけではなく、チームへの献身的なプレーや高いインテリジェンスなど文句なしの世界を代表するアラです。
この選手はガディアとは異なり右サイドで正対した状態でのドリブルを好みます。(場合によってはカンビオデベロシタードもします)
彼はカットインすることが多く、相手ディフェンスを半歩ずらしてミドルシュートなんて場面はよく見られますね。
リカルジーニョと1対1なんて想像するだけで恐ろしい(笑)。
参考動画
アイソレーション(アラ、正対、カットイン、ミドルシュート、ファインセーブ、リカルジーニョ、セダーノ)
ということでオフェンス編は以上となります。
まだ紹介しきれていない部分もありますが、ボリュームもすごいことになってしまうのでこのへんでとどめておきます(笑)。
いかがだったでしょうか?
インテルというチームはフットサル界の華のような存在でもあります。
是非一度動画なりなんなりで観戦してみてください。
わくわくすること間違いなしですよ(笑)。
次はディフェンス編に入っていきます。(*^^)v
ディフェンスの間を突く「エントレリネアス」(2)
こんにちは~。
ワールドカップも盛り上がってきていますが、実はスペインフットサルリーグの方はプレーオフが終了しました。
結果としては年間1位のインテル・モビスターが同2位のバルセロナをくだして優勝を決めたのですが、これが最終戦のPK戦までもつれるという非常に熱い展開だったんですねー。
すごく面白い試合だったのでハイライトだけでも観る価値はあるかと思います。
特に4戦目はバルサファンからすると胸熱すぎる展開でした。
この試合のハイライトを載せておきますね(笑)。
FC Barcelona Lassa - Movistar Inter Final Partido 4
スペインリーグはオフに入りましたが、Fリーグは開幕してこれからという時期ですので是非フットサル界の方にもご注目ください。
さて、本題に入っていこうと思います。
テーマとしては「エントレリネアス」について扱っていますが、前回まではどのようにエントレリネアスへ入っていくかを見ていました。
今回は実際にエントレリネアスを行った後、攻撃としてどのように展開していくかをパターン別に見ていこうと思います。
(2)エントレリネアスからの展開
ライン間で受けるだけでは実は相手からすると怖くありません。
そこからどのようにして崩すかイメージを持つことで脅威となります。
そのために事前にパターンを把握することは非常に重要になってくるのです。
実際の試合では相手ディフェンスや味方との位置関係などを認知し、どのように展開していくか考えることになります。
①ゴール方向に向かう
試合中によく「ターン!」や「フリー!」といった声が聞こえることはないでしょうか?
基本的にこのエントレリネアスをしたときに前を向ける状況で周りが叫ぶことが多いです。
つまりプレッシャーがあまりかかっていない状態で前を向くことで、一気にゴールへの勢いを持って攻めることができるのです。
図解する必要などないように思いますが、一応(笑)。
参考動画
定位置(クワトロ、エントレリネアス、疑似カウンター、横ワンツー、折り返し)
②横ワンツー
ライン間を使った際によく見られる崩しとしてワンツーがあります。
サッカーでもよく使われていますね。
ライン間でボールを受けると次のように相手ディフェンスは一瞬ボールウォッチャーになることが多いです。
この隙にボールを出した選手が裏を狙う。
結果的にワンツーの形にるというわけですね。
これで綺麗にやられると相手はたまったもんじゃありません。
なのでライン間で受ける所を狙って潰しにくることも多いです。
それを回避するためにも、次のようにワンツーの壁役となる選手は自分のマークと距離を取るような動きができると良いですね。
参考動画
クリアランス(クワトロ、サイ、1個飛ばし、カーテン、逆アラの動き、エントレリネアス、横ワンツー、テクニカルファウル)
③リターンからの逆アラのバ
すみません、何言ってるか分かんないよって人もいると思います(笑)。
言葉で説明するのは難しいのでさっそく図で説明していきますね。
まず、リターンというのはこのようにボールを受けてから元の選手に返すことを指しています。
基本的にはリターンはリターンして終わりなのですが、崩しのパターンとしてこのリターンをした場合、逆サイドにいる選手が裏を狙うというのがなんとなくの定石としてあったりします。
まぁ定石とは言っても、そこまで頻繁に見られるわけではありませんので固定概念としてとらわれないようにしてください。
理屈としては②の横ワンツーと似ていて、ボールウォッチャーの性質を利用しています。
ライン間でボールを受けたとき、視線は次のようになります。
リターンするとこうなります。
そうです、ほとんど逆サイドの選手は視界に入っていないことが分かるかと思います。
したがって裏を取れる可能性が高くなるのです。
是非パターンとして覚えてみてください。
参考動画
ローキックイン(偽ピヴォ、コルテ、エントレリネアス、リターン、バ)
④リターンからのカーテン
これに関しては崩してはいませんが、よく見られるパターンなので紹介しておきます。
リターンは先程説明したとおりです。
そこにエントレリネアスした選手がカーテンという動きをします。
これをすることでボールホルダーがカットインしやすくなります。
これにより次のように裏を狙ったりピヴォに当てたりしやすくなるわけです。
参考動画
2回目のエントレリネアスです。
ローキックイン(偽ピヴォからクワトロへ、コルテ、エントレリネアス、フラッシュ、エントレリネアス、リターン、カーテン、ジャグ抜け)
⑤偽ピヴォ当て
この辺からはかなりディープな部分に入っていくことになるかと思います。
半分自論に近い部分もあるので聞き流す程度で良いかなと。
深く戦術を知りたいという人は別ですが(笑)。
それで、この偽ピヴォ当てというのはエントレリネアスを経由して偽ピヴォに当てるパターンのことです。
図にすると次のようになります。
なかなか実際にお目にかかることはないのですが、可能性を広げるという意味では注目してみても良いパターンかもしれません。
参考動画
ミドルキックイン(バックカット、1個飛ばし、3人旋回、エントレリネアス、偽ピヴォ当て、縦ワンツー)
⑥疑似ピヴォ当て
これも先ほどと同様あまり見かけることのないパターンです。
ただ、ボールキープのうまい選手を上手く活かすことのできる戦術として、今後トレンドがくるかもしれません(笑)。
図で説明していきます。
簡単に言えばライン間で受ける選手を疑似的なピヴォとして捉える戦術になってきます。
つまり、展開の種類としてはピヴォ当てに近いです。
1つ目に背負ったままターンして突破というものがあります。
これは案外効果的です。
やはりこれができると相手選手も簡単には背後からプレスに行けなくなるので、エントレリネアスがより面倒になるわけです。
2つ目に落としてシュートがあります。
これは高い位置でのエントレリネアスを前提としています。
アイソレーションの記事でも取り上げたかと思います。
3つ目に低い位置だった場合、落としてシュートではなくその落としのボールをもらってラインを突破していくというものがあります。
スピードに乗った状態でボールを受けることができるので、相手は意外とついていけません。
4つ目に落としてもらったボールをピヴォに当てるというものがあります。
これは完全に自分の空論なので無視してもらってかまいません(笑)。
ただ、このようなパターンも理論上存在すると考えています。
参考動画
ターン
プレス回避(ダイヤモンド、カーテン、フラッシュ、エントレリネアス、反転、内側ターン、疑似カウンター、1対2、シュートパス、こぼれ球、ファー詰め)
落としシュート
定位置(ボックス、フラッシュ、エントレリネアス、疑似ピヴォ当て、落とし、ダイレクトシュート、ミドルシュート)
落とし突破
プレス回避(クワトロ、デスカルガ、間接カーテン、エントレリネアス、3人目の動き、疑似カウンター、ゴール)
落としピヴォ当て
見つかりませんでした。。。
ということでエントレリネアスからの展開については以上となります。
いかがだったでしょうか?
2回続けてエントレリネアスの話をしてきましたが、なんとなく理解していただければ幸いです。
レベルが高くなってくると守備側もこのエントレリネアスに対して対抗策を講じてくるなど、駆け引きがよりいっそう面白くなっています。
是非、派手なドリブルだけでなくライン間で受ける動きにも注目していってもらえればと思います。
お読みいただきありがとうございました~。($・・)/~~~
ディフェンスの間を突く「エントレリネアス」
こんにちは〜。
巷ではサッカーのワールドカップで話が盛り上がってますね。(執筆当初はまだワールドカップ前だった、つまりめっちゃサボってましたごめんなさい(*;ω人)ゴメンネ...)
個人的推しはアイスランドなので、まずはグループリーグ突破を祈っております。
後、私事ではありますが来季から大阪府リーグのチームの監督をすることになるかもしれません。(一番下のカテゴリーなのでほんまに大したことないです)
まだ暫定の部分もありますが、自分なりに頑張ろうと思っています。
興味のある人がいればお声がけください。
さて、今回のテーマは「エントレリネアス」です。
いや、読みにくいですね(笑)。
結構最近ではサッカーの方でも注目されている個人戦術ではないかなと思います。
日本語でも分かるように言い換えると「ライン間」。
ラインというのは守備ラインのことです。
つまり俗に言うディフェンスの間で受けることを言います。
図にするとこんな感じですね。
このエントレリネアスはゾーンディフェンスを攻略する際に非常に重要な手段となります。
何故ならゾーンディフェンスにとってこのライン間が一番マークの所在が曖昧になる可能性が高いからです。
ここを上手く突くことはゾーンディフェンスを崩す大きな鍵の1つとなってくるわけです。
もちろんマンツーマンでもこのライン間で受ける動きはは非常に大事になってきます。
では、このエントレリネアスについて詳しく見ていきましょう。
エントレリネアスを解剖するに当たって、切り口を
(1)エントレリネアスへの入り方
(2)エントレリネアスからの展開
に分けて見ていこうと思います。
このエントレリネアスはサッカーにも役立つ戦術ですから、是非フットサルを知らない人もサッカーに置き換えて見ていっていただければなと思います。
(1)エントレリネアスへの入り方
1つ目はエントレリネアスの入り方、つまりどのような形でライン間に入っていくかを整理してみようと思います。
もちろんパターンなんて無数にあるっちゃあるのですが、大雑把に3つほどに分けて紹介していこうかなと思います。
①フィクソが上がって受け渡しのズレを狙う
まず最初に紹介するのはこちらになります。
これはダイヤモンドというフォーメーションを想定した状態でのパターンとなります。
フィクソの選手(最後方にいる選手のことですね)がここから前線に抜けていく動きをすると仮定します。
ここでマンツーマンならば相手のピヴォの選手がそのままついていくのですが、ゾーンディフェンスの場合相手は次のようなマークチェンジを行います。
この瞬間を狙ってライン間で受ける。
これが1つ目のパターンとなります。
参考動画
定位置(ダイヤモンド、バックカット、エントレリネアス、偽ピヴォ当て、オーバーラップ、シュートパス)
②逆アラが近づいてもらう
次に紹介するパターンは逆サイドから選手が近づいてきてライン間に入るというパターンです。
これもダイヤモンドの状態を想定します。
ここから逆サイドにいるアラがボールを持っているアラの選手のもとへと近づいていきます。
中央付近でストップしボールを受けるとあら不思議。
自然とライン間でボールを受けていることになります。
ちなみに個人的にはこの現象を「逆アラ」と呼んでいます。
これが2つ目のパターンとなります。
ちなみにこれに関しては次の記事でも言及しております。
参考動画
ローキックイン(偽ピヴォ、3人旋回、エントレリネアス、横ワンツー、フロート、ワンツー崩し)
③フラッシュしてもらう
次のパターンを紹介します。
まず人によっては恐らくフラッシュってなんぞやと思うでしょう。
僕はボールに対して高い位置から素早く近づくアクションをフラッシュと呼んでいます。
バスケットボールとかでは割と使われる用語ではないでしょうか?
具体的にどのような動きなのか確認してみましょう。
先ほどと同様のダイヤモンドでも良いのですが、今回はピヴォの選手がサイドに張っている偽ピヴォダイヤモンドについて見ようと思います。
この状態から偽ピヴォがボールホルダーに対して一気に近づき、ボールを受けます。
タイミングを見計らい全速力で行えばフリーに近い状態でボールを受けることも可能なアクションです。
フラッシュだけでも覚えてみてください(笑)。
多分サッカーやってる人も自然にやっているとは思いますが。
参考動画
さて、基本的に私は以上に分類されると考えています。
そもそもフィールドプレイヤーは4人しかいないのですがから、ボールホルダーを基準にするとパスラインの構築する関係は3つしかありません。
つまり、エントレリネアスに関しても基本的には先ほどの3つにしか分類されません。
それぞれについてフォーメーションごとにディテールが異なってくるわけです。
ということで今までは基本的にダイヤモンドを中心に考えていましたが、クワトロではどのような形になるか、図と動画でさらっと説明しようと思います。(ボックスはクワトロが間延びしたイメージを持つとクワトロから想像つくかと思います。
クワトロ編
①フィクソが上がって受け渡しのズレを狙う
参考動画
クワトロによる崩し(中トラップ、バックカット、エントレリネアス、アラコルタ、パスミス)
②逆アラが近づいてもらう(※クワトロの場合、アラではない)
参考動画
③フラッシュしてもらう
参考動画
ミドルキックイン(クワトロ、4人旋回、エントレリネアス、鋭角パス、インターセプト、ショートカウンター、1対2)
ということでエントレリネアスへの入り方は以上となります。
いかがだったでしょうか?
ライン間で受ける動きにも色々と種類があることを知っていただけたかと思います。
次回はエントレリネアスをしてからの展開、つまり実際にこのエントレリネアスを利用してどのように崩していくかについて見ていきます。
興味のある人はぜひ次回も読んでみでください。( `ー´)ノ
ポゼッションとカウンター
こんにちは~、お久しぶりです。
更新さぼりまくって本当にすみません。
何かあれば質問箱の方でお願いします。
今スペインのフットサル界はリーグのプレーオフが大いに盛り上がっています。
先日準決勝が終了し、インテルがハエンにスペインカップのリベンジを果たして順当に決勝へ進出を決めました。
一方のエルポソとバルセロナという好カードは結果的にバルセロナが2連勝をおさめストレートで決勝進出を果たしました。
エルポゾは細かいミスが目立ち、自分で首を絞める形になってしまったかなぁと思います。
また、バルサのゴレイロのセダーノが素晴らしい好セーブを連発したのもバルセロナの勝利に繋がったかなと思います。
ちなみにエルポソはこのプレーオフの敗退を受けてドゥダ監督が退任したのですが、なんと彼が指揮したシーズンは17シーズンにも及ぶのです!
私は今年21歳になるので、私が4歳の頃からずっとエルポソの監督だったことになります。
ひえー、すごい。('Д')
フットサル版ウェンゲルみたいなもんですね。
来シーズンのエルポソがどのようなチームになっているのか、とても気になります(笑)。
さてさて、今回は具体的な戦術という話ではありません。
題名を見てもらうと分かるかと思いますが、日本のサッカーで良く議論されるポゼッションとカウンターについてのお話です。
恐らく戦術論ではなく、戦略論に近いのではないのかなと思います。
何でこんな話をするのかというと、サッカー日本代表のどたばたを見て改めて私たちはしっかりと戦略・戦術という部分に目を向けなければならないのではないかと感じたからです。
まぁすごく大義名分的に言いましたが、要は自分なりにゲームへの考え方を主張してみたいというのが大きいですね(笑)。
サッカーとフットサルが果たしてどれほど競技として似ているのかは分かりませんが、是非サッカーしか知らない人にも伝わるように書いていければなと思います。
あくまで私個人としての考え方なので、文句は受け付けません(笑)。
(1) カウンターvsポゼッション
かつてカウンターとポゼッションは対極的なものとして捉えた議論が多かったように感じます。
この大きな原因となったのはバルセロナ対レアルマドリードという代表的な対立構造にあるのではないのかなと感じています。
つまりバルセロナのポゼッションサッカーとそれに対抗するレアルマドリードという構造に当てはめてポゼッションサッカーとカウンターサッカーを解釈し、対立する戦略として捉えたのではないでしょうか?
ただ、最近はその考え方に対して批判的な見方がされることが多いです。
両者は両立可能な概念だと。
ここで2つをフットサル的な観点から見てみましょう。
フットサルにとってポゼッションを保つというのは攻撃の上ではある意味当たり前の考え方です。
特に相手が引いて守ってくるときには闇雲に縦の意識を強くするのではなく相手ディフェンスを釣り出して距離感が間延びした所を狙っていきます。
せっかくのボールの権利をやすやすと手放すというのはフットサルにおいては少なく、多少なりともボールを保持してゴールまで繋げようとします。
そこでどれだけセーフティーに行くかという部分は調節しますが、攻撃においてはなるべく狙いを持ってボールを繋いでいきます。
一方のカウンターですが、こちらもフットサルでは基本的にできる時はします。
2対1や3対2状態を諦めてボール保持に切り替えるなんてことは基本的にはあり得ません。
カウンターの場面で、「俺たちはボールをしっかり回してゴールを決めたいから!」と言ってボールを落ち着かようものなら場合によっては監督からゲキが飛ぶのではないでしょうか。
もちろん、闇雲にカウンターをするというわけではありませんがフットサルにおいて数的有利というのは得点の絶好のチャンスなのでそれを自分たちで逃すなんて行為は基本的には言語道断なのです。
はてはて、フットサル的に考えるとポゼッションとカウンターは両方ともある意味当たり前というのはどういうことでしょうか?
これはゲーム構造を見ると意味が分かります。
基本的にゲームは次のようなサイクルを循環していきます。
攻撃→守備移行→守備→攻撃移行→攻撃→...
ここで攻撃移行→攻撃の部分だけ取り出して細かく見るとこのようになっています。
トランジション→プレス回避→定位置攻撃
トランジションというのは要はボールの主導権の移り変わりです。
カウンターというのはここで発動します。
一方でポゼッションというのはプレス回避や定位置攻撃において発揮される概念です。
どうでしょうか?
カウンターとポゼッションという概念が別のフィールドにあるというのが分かったのではないでしょうか?
因みにプレス回避で崩した時はカウンターのような状態になりますが、私はこれを疑似カウンターと呼んでいます。
つまり、ポゼッションとカウンターはその順番が違うため両立が可能なのです。
相手ディフェンスよって両者の比率は変わってきますが、どちらも必要な概念であることには間違いないのです。
(2)今のサッカー日本代表に必要なこと
偉そうに語ってすみません。
あくまで個人的意見ですので(笑)。
(なんでもかんでも個人的意見で責任逃れできると思うなよ〜😈)
まぁ、それで先ほどの議論を踏まえた上で現状の日本代表について述べさせていただきたいなと思います。
今の日本代表は恐らくポゼッションを志向しているというような状態にあるように感じます。
ハリル監督の縦への意識やデュエルという部分に対しては批判もありました。
ハリル監督解任後はボールを回す意識というのが強くなっていくと予想しています。
はっきり言いますが、ただのパス回しは意味が無いです。
かつてペップもティキ・タカはクソだと言い放ちました。
勘違いしてほしくないのは別にポゼッション率を高めること自体に問題があるわけではありません。
何がいけないかと言うと狙い所、つまりスピードを上げてフィニッシュに至るスイッチを共有していないパス回しに意味がないと言いたいのです。
そして、今の日本代表はそのようなチームになってしまうのではないかと危惧しています。
実はこのような感想はフットサル日本代表にも抱いています。
フットサル日本代表はクワトロという流動的にポジションをチェンジしながらパスを回して裏を狙うスタイルを取ることが多いのですが、このスイッチが見えないために怖くないチームになりがちです。
勝負を仕掛けてこないのですから、相手としては少し崩されてもすぐ立て直せば良いのです。
サッカー日本代表は自らこのような状況に進んでいくのではないでしょうか?
ボールを回すことに執着し、フィニッシュが見えない。
そうしているうちにカウンターを食らってしまう。
カウンターにはそこまで重点を置いていないので、ディフェンスも雑だし奪った後も勿体ないミスでカウンターのチャンスをみすみす逃してしまう。
そのような状態に陥る気がしてならないのです。
では日本代表に必要なことは何でしょうか?
まず、カウンターに対する意識を高めることだと思います。
何度も言いますがポゼッションとカウンターは両方可能です。
私が言いたいのは守備→守備移行における組織としてのオーガナイズをより行うべきだと言いたいのです。
ここに追い込んでここで奪い、これとこれがこうやってカウンターを決める。
そのような考え方をチームで共有することが大切なのではないでしょうか?
また、ポゼッションの方においては自分たちのスイッチを探すべきです。
サイドチェンジしたらオーバーラップをしてこいつがこうしてフィニッシュへ。
このような意識を共有すべきなのです。
キーワードは「共有」です。
個人個人がバラバラの意識ではいけません。
そしてしっかりとフィニッシュまでその意識は共有されるべきなのです。
一人のサッカーファンとしてこのような提言をさせていただきたいと思います。
今回の記事は以上となります。
すみません、変な記事になってしまって。
これらは日本代表に限らず、普通のチームにも考えさせられる内容になっているのではないかなと思います。
これからも具体的戦術だけでなく、このような普遍的な戦術の話もしていければなと思います。
またブログのテーマに要望があれば言ってください。
できる限り書かせていただきます。
お読みいただきありがとうございました。(^_^)
「エル」に見る渦
こんにちはー。
お久しぶりです。
更新を長いことサボってしまい申し訳ありません。
大学生活の方で色々と忙しくなかなかブログ書く暇がありませんでした。
いや、暇はあったかもしれませんが気力が無かったです。
すみません、まだ忙しい時期が続くので更新は極めて不定期になってしまいますが是非長い目で待っていただければなと思います。
それはそうと眠いです。
最近睡眠障害がひどくて15時起きとかざらです。
頑張ってリズムを直さねば...。
そういえばそろそろ私の地元の関西リーグが開幕します。
今年こそはヴァクサ高槻には優勝してほしいですねー。
ミキハウスやSWHなど強豪がひしめいていますが、ヴァクサならやれると信じています。
高槻開催もあるのでそれは観に行こうかなと思っています。
是非興味のある方は一緒に関西リーグ観に行きましょう!
さて、今回も質問箱に来た質問への回答を兼ねた形になります。
今回のテーマの元となった質問はこちらです。
Lへのパターンですか...。
— グロッケン(桐灰) (@giriguro) 2018年5月8日
あまり考えたことなかったですね。
分かりました、エルについてはいつか書こうと思っていたので、今度記事しようと思います。 #peing #質問箱 https://t.co/UPyOuonIjx pic.twitter.com/KxsVtu8VDi
そもそもエルって何やんねん、って方もおられると思いますので、まずは基本的なエルの概念
から説明していき、そこから派生する形を紹介するという風な流れにしようかなと思います。
正直綺麗なエルってあまり見かけたことがないので参考になるかは分からないんですけど...。
(1)エルとは
はい、そもそもエルって何やねんって話ですね。
エルというのは3人で行う攻撃の際の戦術になります。
恐らくフットサルの戦術というと何となく「エイト」や「エル」が思い浮かぶほど割と有名な戦術になってきます。
過去の偽ピヴォの記事でも取り上げたことがあるので覚えている人もいるのではないでしょうか?
具体的な動きを見て行きましょう。
まず、今回は分かりやすいように次のような偽ピヴォダイヤモンドを前提とします。
ここから偽ピヴォにボールを出したとします。
ここで、アラの選手はゴール前へと走りこみます。
偽ピヴォの選手はもちろんここでパスを出せるのがベストですが、これが上手くいかなかいこともあります。
そこでこの流れを止めないためにアラが抜けたスペースへフィクソが侵入します。
そして偽ピヴォがそこにボールを落としダイレクトでフィクソがシュートを打ちます。
この時、中央へ抜けて行ったアラの選手はできればファー詰めへと入ります。
以上の一連の流れをエルと言います。
割と流れ自体は短くてシンプルかなと思います。
ただ、実際にこれをしっかりと頭の中に落とし込むことは意外と難しいです。
一応参考動画を貼っておきますのでイメージを掴んでいただければなと思います。
ハイキックイン(チョンドン、クロス、偽ピヴォ当て、エル、ミドルシュート)
(2)エルが持つ渦の性質
さて、エルについての基本的な説明が終わった所で少し幾何学的な側面からこの戦術を眺めてみましょう。
エルが実際に決まるとなぜ美しいのか。
それはそこに流動生が生じているからなのですが、その流れが一定方向にあるからだと思います。
タイトルからも何となく想像つくかと思いますが、要はその流れが渦を巻いているような形になっていると私は思うのです。
この方向に渦を巻いていると考えると逆アラはどのような動き方をするから何となく想像がつくかと思います。
実際、このエルの動きをした時は逆アラは基本的にカバーリングの位置に入ることが多いです。
つまりこの渦の概念がエルという戦術における大きな要素となっているように感じます。
(3)1個飛ばしからのエル
エルというのは結果的に偽ピヴォを固定した状態で渦を巻きます。
つまり偽ピヴォにボールがあれば良いのでそこまでの形は何もアラからのパスである必要性はありません。
そこでサイからの1個飛ばしと組み合わせたエルを行うことが可能になります。
図で説明していきます。
まず、偽ピヴォの状態を仮定します。
ここでアラがサイの動きを行います。
フィクソから偽ピヴォへ1個飛ばしのパスを出すと同時に飛ばされたアラは一気にファーサイドへと走ります。
フィクソはこれを受けてエルの要領でスペースへと侵入し、後はシュートを打つのみです。
どうでしょうか?
今まで見たことのある戦術のコンボ技といった形になっているかと思います(笑)。
因みにこの1個飛ばしをした後アラがファーに抜ける動きはジャグナウとも考えることができますから、そう考えるとピヴォから直接ファーへパスといった選択肢も考えられるようになってくると思います。
参考動画
結果的にエルにはなっていませんが、なんとなくイメージを掴んでいただければ・・・。
ハイキックイン(チョンドンの形、1個飛ばし、偽ピヴォ当て、3人目の動き、エルっぽい)
(4)アラアラのエル
エルでは偽ピヴォを固定した状態での渦が巻くということは何度も言っていますが、ここで渦の大きさを変えることで新たなパターンが生まれます。
どういうことかというと、今まではアラフィクソアラの3人を巻き込んだ渦について見てきましたがこれをアラアラの2人だけの渦に変えるのです。
どうなるか具体的に見てましょう。
今まで通り偽ピヴォダイヤモンドを基準とします。
ここで偽ピヴォにボールを出した後アラが抜けます。
この動きによってできたスペースに今まではフィクソが入り込んで行きましたが、そうではなく逆アラが入り込みます。
そしてそこからはシュートでファー詰めというお決まりのパターンですね。
エルというのはこのように関わる選手によって変化が可能かと思います。
アラアラのエルはどうしても偽ピヴォがキープする時間が長くなってしまうのとシュートの態勢が少し厳しくなりますが、その分決まった時は威力は高いように感じます。
参考動画
(5)アイソレーションにおけるエル
これに関しては先程紹介したアラアラのエルと形がほとんど同じになります。
違うことと言えばボールホルダーの態勢です。
今までは偽ピヴォがボールをキープする形として見てきましたが、これをディフェンスと正対した状態で考えます。
つまり次のような状態です。
ここからアイソレーションのために近くの選手が離れます。
それとは逆に、逆サイドの選手が近づきに行き空いたスペースへと入り込みます。
もう分かりますね(笑)。
お決まりのファー詰めです。
どうでしょうか?
これも一種のエルと考えられるのではないでしょうか。
是非参考にしてみてください。
参考動画
2:28~からの場面になります。
因みにこれがこの試合の決勝点となっています。
Futsal Cup highlights: Inter v Barcelona
ということで今回は以上となります。
今までとは違った側面から「エル」について眺めることができたのではないでしょうか?
私はエルの本質は渦にあると考えています。
是非普段からこの渦を意識していただきたいなと思います。
ブログ更新は頑張って間が空かないようにはしようと思いますが、どうぞ忙しいんだなと思ってなかなか更新できなくてもご了承ください。
何か要望等あればまた質問箱などで言っていただければと思います。
エントレリネアスについて動画を作るという話がありましたが、少々忙しいのでブログの記事で勘弁してください。
早いうちにエントレリネアス編を始めようと思っていますので。
では、さよなら〜。
今回の質問者さんへ。
記事を書き上げるのが非常に遅くなってしまい申し訳ありません。
それと質問内容はあくまでエルへの形だったと思うのですが、私の力不足であまりそのヒントとはなっていないかもしれません。
申し訳ないです。
少しでも参考になっていれば幸いです。